スイスは世界でも特に物価の高い国の1つだが、給与もトップクラスだ。
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スイスでは通常、給与は毎月1回支払われる。12月には「13カ月目」の給与が支払われる場合も多い(雇用期間が1年に満たない場合、雇用期間に応じて13カ月目の給与を日割り計算して支払われる)。この13カ月目の給与は、雇用契約にある固定給与の一部であり、ボーナスではない。
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スイスの給与事情 意外と高収入な職種
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スイス労働者の給与は他の国と同様、学歴や職業経験よって異なる。チューリヒ州経済労働局の年次報告書2017年版外部リンクでは、一般的な年齢と経験を基にした、あらゆる職種の最低給与を知ることができる。そこから主な職業をいく…
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全国一律の最低賃金はないが、一部の州や特定の業界では最低賃金を定めている。社会保障料などが控除される前の基本給与額は、雇用契約前に交渉が可能。
総支給額からは次の社会保障料が差し引かれる。
-老齢・遺族年金(AHV/AVS、年金制度の第1の柱)
-企業年金(年金制度の第2の柱)
-障害年金(IV/AI)
-収入補償(EO/APG)
-失業保険(ALV)
-業務外障害・疾病保険
社会保障費の額は、州や個人の年齢、給与、就労時間によって異なる場合がある。雇用者は上記の保険料を被雇用者と分担する。
その他、税金と医療保険料もほとんどの被雇用者に支払いが義務付けられている。
給与水準
スイスの給与(控除前)の中央値は月6500フラン(約92万円)。だが、機械オペレーターの給与が約4500フランなのに対し、上級管理職は1万フラン超など、大きなばらつきがある。
男女間の賃金格差は依然として大きい。給与の中央値では女性は男性を11.5%下回る。男女同一賃金はスイス連邦憲法と男女平等法に明記されているものの、管理職レベルではこの格差が更に際立っている。
国際比較では、スイスは経済協力開発機構(OECD)加盟国でも平均給与がトップクラスだ。だが同時に、生活費も極めて高い。税金、住宅費、交通費、医療保険料が家計の大部分を占める。それでもスイスの家庭の購買力は欧州で最も高い水準にある。
スイスの物価が高いことで、低所得者は特に厳しい状況に置かれている。統計によれば、月収5000フラン以下の世帯は貯蓄ができない。また、物価が上昇傾向にある一方で、賃金が伸び悩んでいることも、労働人口の12%を占める低所得労働者の負担になっている。
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闇に包まれた医師の収入
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スイスでは開業医の給与は2009年以降、公表されていない。しかし、医療費を抑制するためにも、その透明化の必要性が求められている。
現時点で最新とされる2009年のデータによると、開業医の平均年収は児童青年精神科医10万7千フラン(約1214万円)、一般開業医19万8千フラン(約2247万円)、整形外科医26万1千フラン(約2961万円)、放射線科医34万フラン(約3859万円)、眼科医34万5千フラン(約2916万円)。
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スイス・チューリヒ州では高所得者に位置づけられているプロテスタント教会の牧師だが、その給与は一体どれくらいなのか?
チューリヒ州経済労働局が先月公開した給与に関する年次報告書では、パン職人から政治家まで、あらゆる職種の初任給を知ることができる。
同報告書によるとチューリヒ州の牧師の月給は9084フラン(約101万7800円)で、スイス軍の将校、土木技師、ジャーナリストよりも高い。しかし給与が高い一方で、牧師の1週間の労働時間は48時間と、一般的なフルタイム労働者の週40時間労働よりも8時間多く働いている。また、カトリック教会の司教の場合、週の労働時間は42時間で月収は8595フラン。教区民を訪問したり式典に出向いたりすることが多い聖職者の労働時間は、通常よりも長い傾向にある。
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教育費削減反対 スイスで学生らが大規模デモ
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スイスで5日、複数の都市で生徒らがデモ行進を行い教育費のカットに抗議した。この費用削減の影響で教育施設は休校になり、一部では校舎などのインフラのメンテナンスに支障が出るという問題まで発生している。
2013年~18年の間に州の教育予算が推定10億フラン(約1100億円)削減されることを受け、ルツェルンとチューリヒの学生団体が始めた運動は他の都市にも広がり、5日午後にはルツェルンで約千人、チューリヒで500人、アーラウ、バーゼル、ジュネーブではそれぞれ数百人が参加するデモにまで発展した。ベルンでも小規模の抗議運動が行われた。生徒らは「我々はここに集い、声高に叫ぶ!我々の未来を奪うな!」「教育が高すぎることはあり得ない」といった内容の自作の旗やプラカードを掲げ、街の目抜き通りを平和的にデモ行進した。
抗議運動に携わるチューリヒのティモシー・エッチさん(17歳)と彼の仲間は、スイス全土で約3千~3500人の生徒や教員がデモに参加すると見込んでいた。
「先ごろ行われた減税と教育予算のカットをセットにするのは間違っている」とエッチさんは言う。ルツェルンは、一般市民や企業に対する減税政策の結果、州の予算に「大きな穴」が空いた典型的な例だとエッチさんは指摘。昨年ルツェルン州は、授業料4百万フラン節約するために教育施設を休校し、学生や教師らに通常より1週間多く休みを取らせると発表した。
エッチさんの通うチューリヒの学校では、水漏れや窓が閉まらないなど、校舎のインフラ管理にも問題が出ているという。教育費が更にカットされれば、こういった不具合が近いうちに修理される見込みはなくなるとエッチさんは不満を漏らす。また、学校の教員も、特にドイツ語や外国語の科目では、給与据え置きでより多くのクラスの授業担当を強いられているという。その結果、授業の質が明らかに落ちていると指摘する。
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