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UBS アメリカとの和解成立間近

大きく一息ついたニューヨークのUBSオフィス Keystone

UBS銀行とアメリカ国内歳入庁の間で争われている租税問題について、双方が和解に達したことが8月12日、アラン・ゴールド裁判官に電話会議で伝えられた。これによって裁判が回避される見込みが強まった。

米司法省の弁護士スチュアート・ギブソン氏が電話会議で伝えたところによると、和解はあと署名するばかりだ。

2週間前にほぼ合意

 UBSと米国内歳入庁 ( IRS ) の双方で協定が練り上げられたが、詳細はまだ署名できるまでに至っていないという。和解の内容について、これ以上のことは明らかにされていない。米国内歳入庁によると、来週、署名と同時に発表されるという。

 すでに2週間前、UBSの弁護士であるジーン・スターンズ氏がゴールド裁判官に対して「解決まであと数分」と述べ、根本的に和解に達していた。しかし、今回の電話会議でギブソン氏は、最後の障害物を取り除くためにもう少し時間が必要だと述べており、詳細についてまでの合意には至らなかったとみられる。

公判の取り消し

 これによって裁判が行われる見通しはほぼなくなり、原告と被告の双方は、裁判官に和解文と訴えの却下の請願を共同で提出することになる。その期日はまだ不明。8月17日の公判はゴールド裁判官が取り消す予定だ。

 米国内歳入庁は今年2月にUBSを訴え、脱税の疑いのあるUBSの顧客数千人の情報を開示するよう要求した。これに対しUBSとスイス連邦政府は、スイスの銀行守秘義務に反するという理由で開示を拒否した。

スターンズ氏はゴールド裁判官に対し、長引く手続きを辛抱強く受け止め、双方に和解をもたらそうと尽力したことについて感謝の意を述べ、
「裁判官の予定表に与えた損害をお詫びします」
 と述べた。

 和解がほぼ署名寸前に達したというニュースを受けてUBSの株価は3.3%と大きく上昇し、16.38フラン ( 約1466円 ) まで上がった。一時16.45フラン ( 約1473円 ) まで上昇したが、その後、ゴールド裁判官との電話会議が始まる直前の株価とほぼ同じ16.07フラン ( 約1437円 ) に下落。終値は3.1%増の16.34フラン ( 約1462円 ) だった。

 UBSとスイス連邦司法警察省 ( EJPD/DFJP ) 、またアメリカ政府も和解まであと一歩という状況を歓迎している。UBSはスイス政府と交渉団に感謝の意を表した。エヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ司法相はこの結果をすべての関係者の努力の成果だと評価し、
「2つの主権法治国家の間で争われていた問題が、双方の歩み寄りによって解決できたことに満足している」
 と述べた。また、米国内歳入庁もこの和解を歓迎しており、署名は来週行われるはずだと発表した。

swissinfo.ch、外電

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