クレディ・スイス銀行(CS)は、モザンビークでの汚職事件に関与したとして米英当局に罰金を科された。また2019年の企業スパイ事件を巡り、スイス当局に組織体質の欠陥を指摘された。
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米英当局は19日、モザンビークの汚職事件で贈収賄・詐欺罪に問われたCSに対し、約4億7500万ドル(約540億円)の支払い命令外部リンクを下した。
内訳は米司法省に対し1億7500万ドル、米証券取引委員会(SEC)に9900万ドル、英金融行動監視機構(FCA)に2億ドル。モザンビークに対する2億ドルの債権も放棄する。
CSは2013~16年、モザンビーク政府のマグロ漁事業と海上保安プロジェクトに対して約10億ドルの国債発行や協調融資(シンジケートローン)を引き受けた。このいわゆる「マグロ債」の売上げの多くが、見返りとしてCS行員やモザンビーク政府高官に横流しされた。米英当局は、同行が悪意を持って投資家を誤解させ、米贈収賄法に違反したと指摘した。
米英の決定に対し、CSは声明外部リンクで「手続きが完了したことに満足している」と述べた。同行の欧州子会社はまた、独立した第三者委員会を設置し取引やリスク管理を監視することでスイスの金融市場監督機構(FINMA)と合意したという。
7件の内偵活動
またFINMAは同日、CSで2019年に発生した企業スパイ事件の捜査で「重大な組織的欠陥」を発見したと発表外部リンクした。
同事件ではCSの取締役が同行の雇った探偵に尾行されていたが、FINMAによるとこのほかに国外の元行員や第三者に対するスパイ活動も横行していた。19年のスパイ事件は最終的に当時のティージャン・ティアム最高経営責任者(CEO)の辞任につながった。
FINMAは昨年に開始した捜査の総括として、CSのコーポレートガバナンス(企業統治)に重大な欠陥を発見したと述べた。また7件の「内偵」行為が「非公式かつ妥当な理由なく」実施されたと指摘した。
また個人に対する処分として「2人を書面でけん責し、別の3人に対して執行手続きを開始した」と表明した。個人名は明かされていない。
CSはFINMAの決定を受け、「関連するガバナンスとプロセスを強化する重要な措置を講じた」と述べた。
モザンビークの案件を巡っては、ロンドンの債権者がCSを相手取り民事訴訟を起こしている。ブルームバーグによると、2023年10月に1回目の審理が英高等裁判所で予定されている。
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