スイスの小売最大手のミグロ
Keystone
大手コンサルティング会社デロイトが15日発表した「世界の小売業ランキング2018」で、スイスの2大スーパーマーケットのミグロが39位(前年は41位)、コープが43位(同45位)といずれも順位を上げてランクインした。
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ランキングは全世界の小売企業の2016年度の売上高上位250社をまとめたもの。ミグロは241億ドル(2兆6500億円)、コープは224億ドルだった。1位はウォルマート(4858億ドル)、2位はコストコ(1187億ドル)、3位がクローガー(1153億ドル)で、米国の企業が上位3社を独占。上位50社にランクインした日本の企業はイオン(708億ドル)の12位が最高で、セブン&アイ・ホールディングス(513億ドル)が20位だった。
ミグロとコープが順位を挙げた一方で、欧州諸国の小売業は振るわなかった。欧州企業が全250社の売上高に占める割合は、ここ10年で39.4%から33.8%に落ち込んだ。
昨年のスイスの小売業界全体も成長幅は緩やかで、ミグロとコープの順位上昇が業界の動向を反映しているわけではない。
>>厳しい価格競争にさらされるスイスの小売業界
ランキングではアジア企業の躍進も見られた。
デロイトによると昨年、全250社の売上高は4%増。ミグロ、コープが順位を上げた要因についての具体的な説明はなかったが、同社のコンスタンティン・フォン・ラドヴィッツ氏はスイスを待ち受ける課題について指摘する。
同氏は「スイスの小売業者にとって、強い経済成長は最も喜ばしいこと。だが、所得格差の拡大や保護主義的な運動によるネガティブな影響にも対処していかなければならないだろう。国内の伝統的な小売業にデジタル技術がもたらすであろう様々な影響やチャンスにも直面することになる」と話す。
ランキングには他にも、バーゼルを拠点とする旅行会社のデュフリ外部リンク(127位)、ジュネーブの宝飾・服飾品等販売リシュモン外部リンク(138位)が入った。
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連邦内務省食品安全・獣医局(OSAV)は同日、オランダから輸入された卵から殺虫剤成分「フィプロニル」が検出されたと発表。スイス国内の大手スーパーはほぼ同時に輸入された卵の販売停止を決めた。
当局は声明で「スイスの輸入業者による検査で(殺虫剤成分が)検出された。現時点で、健康被害を及ぼすような汚染レベルではない」とした。
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