スイス国立銀行(SNB、中央銀行)は15日、今年3回目となる利上げに踏み切った。
このコンテンツが公開されたのは、
SNB は政策金利である要求払い金利を0.5%から1.0%に引き上げた。6月にマイナス0.75%からマイナス0.25%、9月に0.5%に引き上げていた。
米連邦準備理事会(FRB)が14日に、英イングランド銀行(英中銀)と欧州中央銀行(ECB)が15日にそれぞれ0.5%利上げした。
スイスのインフレ率は8月に3.5%と40年ぶりの高水準に達したが、11月には3%まで下がった。近隣の欧州諸国に比べるとインフレ率は落ち着いているが、SNB の目標である0~2%を大きく上回り、今後も上昇が予想される。
SNBは15日の声明外部リンクで「インフレ圧力の高まりとインフレのさらなる広がり」に対抗するために、政策金利を引き上げていると述べた。
「中期的な物価安定を確保するために、SNB 政策金利の追加引き上げが必要になる可能性を排除できない」
また通貨フランが他の通貨に対して上昇しすぎるのを防ぐために、「必要に応じて外国為替市場で積極的に行動する」用意があるとも強調した。
他の中央銀行が相次ぎ金融政策を引き締める中で、スイスも利上げを進め、政策金利は2008年の世界金融危機以来の水準に達した。リーマン・ショック直前は2.75%だった。
SNBは、「世界的な成長モーメントの失速が続いている。同時に、多くの国でインフレ率が中央銀行の目標を著しく上回っている。したがって、多くの中央銀行が金融政策をさらに引き締めている」と説明した。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
おすすめの記事
スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
このコンテンツが公開されたのは、
世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。
もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
おすすめの記事
スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。
もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
おすすめの記事
スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。
もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
おすすめの記事
スイスに感染症情報解析センター発足
このコンテンツが公開されたのは、
感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。
もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
続きを読む
おすすめの記事
スイス中銀、マイナス金利政策から脱却
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(スイス中銀、SNB)は22日、政策金利を0.75%引き上げ、プラス0.5%とすることを決めた。金利がプラスに転じたのは7年ぶり。
もっと読む スイス中銀、マイナス金利政策から脱却
おすすめの記事
スイス中銀のサプライズ利上げ 米欧に続く
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が2007年以来15年ぶりに利上げに踏み切った。米欧各国で金利に押し上げ圧力がかかっている。インフレを抑えるには利上げで十分なのか?
もっと読む スイス中銀のサプライズ利上げ 米欧に続く
おすすめの記事
スイス中銀が利上げ、15年ぶり
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は16日、政策金利の引き上げを決めた。国内経済へのインフレ圧力を防ぐためで、利上げは15年ぶり。
もっと読む スイス中銀が利上げ、15年ぶり
おすすめの記事
高物価スイスのインフレ対策は?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのインフレ率は3.5%と、他の欧米諸国に比べると穏やかだ。だが光熱費や日用品の値上がりはスイスの家計に打撃を与えている。
もっと読む 高物価スイスのインフレ対策は?
おすすめの記事
インフレを見誤ったワケ スイス経済史家の場合
このコンテンツが公開されたのは、
米国でインフレ率が高止まりしていることが世界の注目を集めている。インフレの背景は何か?スイスのインフレの特徴は?チューリヒ大学の経済史学者トビアス・シュトラウマン氏に聞いた。
もっと読む インフレを見誤ったワケ スイス経済史家の場合
おすすめの記事
スイス中銀がフラン安政策をやめた理由
このコンテンツが公開されたのは、
1999年に欧州単一通貨(ユーロ)が発足して以来、スイスフランは対ユーロで60%超上昇。輸出業界では過剰なフラン高への対抗が長らく議論の的だったが、ここ数カ月で優先事項は根本的に変化した。
もっと読む スイス中銀がフラン安政策をやめた理由
おすすめの記事
スイス中銀、フラン売り介入を縮小 インフレ抑制に政策転換
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中央銀行、SNB)の外貨購入が衰えている。根強いフラン高は輸出企業にとって痛手だが、インフレ抑制には通貨高を容認するしかないためだ。
もっと読む スイス中銀、フラン売り介入を縮小 インフレ抑制に政策転換
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。