スイス政府は1日、公共交通機関でのマスク着用を6日から義務付けると発表した。これまでは「人との距離が保てない場合に強く推奨」との立場だった
Keystone / Urs Flueeler
スイス連邦政府は1日、6日から国内の公共交通機関の利用時にマスクの着用を義務付けると発表した。国の指定するリスク地域からの入国者に、10日間の自宅待機を要請することも決めた。
このコンテンツが公開されたのは、
いずれも足元の新規感染者の増加への対応。スイス連邦内閣は1日の声明外部リンクで、「新型コロナウイルスの封じ込め措置を緩和して以来、公共交通機関の利用者が増えている」と指摘した。「推奨される距離が保たれていないケースが多い」
マスクの着用義務は12歳以上に課される。電車やトラム(路面電車)、バス、登山鉄道、ケーブルカー、船舶を含む全ての公共交通機関が対象。着けない人に罰金などの制裁はないが、スイス連邦鉄道(SBB/SSF)は「迷惑乗客」として降車や罰金を要求することがある、と説明した。
これまでマスク着用は混雑時で人と人との距離が保てない時のみ「強く推奨」するにとどまっていた。だが推奨に従う人が少なすぎるとして、連邦政府は義務付けに踏み切った。
アラン・ベルセ内相は1日の記者会見で「第2波を防ぎたい」と強調した。これまではマスク着用義務のある隣国からも一歩遅れていたとの認識を示した。
シモネッタ・ソマルーガ大統領は会見で「この数日、どれだけ速くウイルスが再び拡散するかを目の当たりにした」と話した。
1日に報告された新規感染者数は137人。先月29日は35人、30日は62人だった。
10日間の自宅待機
6日からはリスク地域からの入国者全員に10日間の自宅待機が義務付けられる。リスク地域は連邦保健庁がリスト化し、定期的に見直す。リスク地域の指定基準は、週内に連邦閣僚が議論する。
該当者は入国後、州当局に届けなければならない。航空会社やリムジン業者は、感染した人を乗せてはならない。
おすすめの記事
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
グミベアが躍る「ロボケーキ」大阪・関西万博スイス館で展示
このコンテンツが公開されたのは、
動くクマのグミ、チョコレート味の電池――大阪・関西万博のスイス館では、ロボット工学者とパティシエ、ホテリエが合作した「ロボケーキ」が展示されている。
もっと読む グミベアが躍る「ロボケーキ」大阪・関西万博スイス館で展示
おすすめの記事
スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
このコンテンツが公開されたのは、
日本を公式訪問中のスイスのイグナツィオ・カシス外相は22日、2025年大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーのオープニングセレモニーに出席し、結束と対話を呼びかけた。
もっと読む スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
おすすめの記事
フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、21日死去したローマ教皇フランシスコに哀悼の意を表した。
もっと読む フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
おすすめの記事
WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
このコンテンツが公開されたのは、
世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者で会長のクラウス・シュワブ氏が同日付で辞任したと発表した。
もっと読む WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
おすすめの記事
スイス外相、日本と中国を訪問
このコンテンツが公開されたのは、
イグナツィオ・カシス外相は日本と中国を公式訪問する。
もっと読む スイス外相、日本と中国を訪問
おすすめの記事
TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
このコンテンツが公開されたのは、
米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。
もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
おすすめの記事
ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス小売大手のミグロ(Migros)は14日、アッペンツェル・アウサーローデン準州ヘリザウにある1店舗を年中無休化すると発表した。
もっと読む ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
おすすめの記事
ハイジのスイス館、150万人以上の来館者見込む 大阪・関西万博
このコンテンツが公開されたのは、
2025年大阪・関西万博のスイス館が、13日の開幕日に開館した。没入感のある展示空間でスイスの多様・卓越性を紹介し、150万人以上の来館者を見込む。
もっと読む ハイジのスイス館、150万人以上の来館者見込む 大阪・関西万博
おすすめの記事
スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、米国の追加関税について、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談した。
もっと読む スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談
おすすめの記事
【トランプ関税】スイス経済相が米通商代表と初協議
このコンテンツが公開されたのは、
米国の関税措置をめぐり、スイスのギー・パルムラン経済相は7日、米通商代表のジェミソン・グリア氏とビデオ会議による最初の協議を行った。
もっと読む 【トランプ関税】スイス経済相が米通商代表と初協議
続きを読む
おすすめの記事
新型コロナ規制 日本人はスイスに入国できる?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは新型コロナウイルスに伴う国境制限を緩和し、6月15日からEU/EFTA加盟国・英国からの入国が自由にできるようになった。7月20日からは日本からの旅行者も入国できるようになった。
もっと読む 新型コロナ規制 日本人はスイスに入国できる?
おすすめの記事
スイスでマスクを作り続ける日本人
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス危機下のスイスで、布マスクを作り続けている日本人がいる。自分や周りを感染から守る「優しさのシンボルを届けたい」と200枚を縫い上げ、その輪は欧州、ユーラシア大陸にも広がった。
もっと読む スイスでマスクを作り続ける日本人
おすすめの記事
スイス人はなぜマスクを着けないのか?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで新型コロナウイルス危機を受けたロックダウン(都市封鎖)の解除が進むなか、人々の外出が増える一方でマスクの着用が広がらない。マスクで完全に感染を防げることはないが、リスクは減らせる。なぜスイス人はマスクを着けたがらないのか?
もっと読む スイス人はなぜマスクを着けないのか?
おすすめの記事
全国民がマスクを着けるべきか スイスで議論
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス感染拡大防止に、全国民はマスクを着けるべき――?「いいえ」とスイス政府と世界保健機関(WHO)が答える一方で、一部の欧州政府とスイスの政治家の間ではマスクを支持する声が高まっている。swissinfo.chの読者の間でも、その答えは二分している。
もっと読む 全国民がマスクを着けるべきか スイスで議論
おすすめの記事
ロックダウン解除したらスイスはマスク不足になるのか?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは27日からロックダウン(都市封鎖)の段階的緩和が始まる。連邦政府はマスク確保に最善を尽くしていると語る。一方で健康な国民のマスク着用が国から推奨されているわけではない。マスクに対するスイス政府の対応が注目されている。
もっと読む ロックダウン解除したらスイスはマスク不足になるのか?
おすすめの記事
スイス警察はなぜ「密」を防げないのか
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは新型コロナウイルス危機を受けたロックダウン(都市封鎖)が徐々に解除され、人々は昼夜問わず外に出歩き始めた。だがソーシャルディスタンシング(社会的距離)を無視した行動も見られ、どうして警察がもっと厳しく取り締まらないのか不思議に思う声も出ている。
もっと読む スイス警察はなぜ「密」を防げないのか
おすすめの記事
新型コロナ スイス政府のコミュニケーション戦略は成功したか
このコンテンツが公開されたのは、
街の広場に掲示された、感染予防対策を訴える赤とピンクのポスター。夜のニュースに出ずっぱりの大臣たちー。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に際し、連邦政府は自身のコミュニケーション戦略に骨を折ってきた。政府の効果的な情報伝達は、感染の抑制に寄与したのだろうか。
もっと読む 新型コロナ スイス政府のコミュニケーション戦略は成功したか
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。