スイス政府観光局は2年以上にわたる渡航制限が解かれた中国からの観光客誘致キャンペーンで、元テニス世界王者のロジャー・フェデラーさんを公式大使に任命した。
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フェデラーさんはプロ引退前から、ロバート・デ・ニーロさんやアン・ハサウェイさんら著名人とともに、コロナで激減したスイスへの旅行者を増やす活動に携わっていた。今回着任したスイス政府観光局の公式大使は、中国市場に的を絞った活動となる。
ドイツ語圏の週刊紙NZZ外部リンクマガジンが14日報じた観光局のマーケティング計画によると、フェデラーさんは中国人観光客をスイスに呼び戻すための新年キャンペーンで重要な役割を果たしている。フェデラー効果で、今年は中国人観光客の宿泊が約80万人泊に回復すると見積もられている。これはパンデミック前の2019年の半分以下だ。2025年までに170万人泊に増やすことを目標に据える。
中国人観光客はホテルだけではなく小売業界にとっても重要な顧客だ。1日あたりの消費額は約380フラン(約5万4千円)で、多くは土産品の購入だ。スイスにとっては中東からの訪問者に次ぎ2番目に消費額の多い客層となっている。ちなみにスイス人の休暇中の消費額は1日あたり約160フランだ。
業界関係者の多くが観光客の再来を歓迎するが、国外からの団体観光客呼び込みに焦点を当てた観光戦略には疑念の声もある。中国人観光客は大型バスで周遊することが多く、地元のインフラがひっ迫する可能性がある。
政府観光局はNZZに対し、中国人観光客が引き続き中心的な役割を果たし続けると述べた。富裕層だけでなく、アウトドアや文化に関心のある個人旅行者も重視している。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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