昨年のスイス映画賞最優秀脚本賞に輝いた「まともな男」(ミヒャ・レビンスキー監督・脚本)が18日、日本で初公開される。
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マルチメディア・ジャーナリスト。2017年にswissinfo.ch入社。以前は日本の地方紙に10年間勤務し、記者として警察、後に政治を担当。趣味はテニスとバレーボール。
主人公の中年会社員トーマスが、家族旅行で訪れた雪山であるトラブルに見舞われ、それを収拾しようと小さな嘘を重ねるうちに、事態が悲劇へ向かっていくーというストーリー。トーマスを演じるのは「ヒトラーの贋札」(2007年)のデーヴィト・シュトリーゾフ。
レビンスキー監督は1972年にドイツで生まれ、スイスのチューリヒで育った。デビュー作「Herr Goldstein(仮訳:ゴールドシュタインさん)」(2005年)はロカルノ国際映画祭で短編作品賞を受賞。2008年の長編作品「Der Freund(仮訳:友人)」はスイス映画賞最優秀作品賞を獲得した。同監督の作品が日本で公開されるのは今回が初めて。
公開はK’s cinema外部リンク(東京都)とシネ・ヌーヴォ外部リンク(大阪府)の2カ所。初日の18日はK’s cinemaでレビンスキー監督の舞台あいさつがある。
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アルプスの少女ハイジ 実写映画、8月に日本公開予定
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8月下旬に日本で公開予定の映画「ハイジ アルプスの物語」(原題「Heidi」)は、スイス史上最大の成功を収めたスイス映画として称賛されている。(Claussen Wöbke Putz Filmproduktion/Zodiac Pictures International, swissinfo.ch)
同作品は2015年の初公開からスイスで百万人、さらに世界中で240万人の観客を動員。制作費は850万フラン(約10億4千万円)で、スイスとドイツで合作された。
スイス人監督アラン・グスポーナーはスイスインフォのインタビューで、ヨハンナ・シュピリの原作「ハイジ」により忠実な、美化されていない作品作りに注力したと答えている。
ハイジ役を演じたアヌーク・シュテファンは、原作の舞台となったグラウビュンデン州出身。演技の経験は無かったが、オーディションで500人の候補者の中から選ばれた。またハイジの祖父を、スイスの有名な俳優ブルーノ・ガンツが演じている。作中ではスイス特有の方言、スイスドイツ語も話されている。
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20年来の大ヒット作「ザ・スイスメーカーズ」
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映画「ザ・スイスメーカーズ」は屈指のスイス映画だ。移民をテーマにしたこの風刺映画、今日まで続く人気と成功の理由を、脚本も同時に手がけたロルフ・リシー監督が語る。 (Carlo Pisani, swissinfo.ch)
封切りは1978年。当時は5人に1人が見たといわれる「ザ・スイスメーカーズ」。鑑賞者数の多さでは有数のスイス映画の一つに数えられる。公式の映画統計が始まった1976年以来、スイス全国でのチケット販売数でトップを維持している。
リシー監督は2月末に80歳を迎えた。チューリヒの自宅で、どんな風に当局を皮肉ったかを振り返りながら、この映画は移民問題に直面する今の社会のトピックとしてもまったく古さを感じさせないと話す。
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「私はハーフだが、そんなことはどうでもよい」
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「バビロン2」は、90年代の時代を象徴する都市開発、異文化社会、ラップ音楽、デジタル技術などをコラージュした作品で、この時代の様子をありありと描いている。16ミリフィルム、35ミリフィルム、ビデオ・デジタル技術など、あ…
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ヌーベルバーグの巨匠 ジャンリュック・ゴダールに捧げる敬意
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1930年12月3日パリで生まれたゴダールは、スイス人の両親を持つ。後に仏ソルボンヌ大学で民俗学を学ぶ。そして映画批評家を経た55年、スイスのグランド・ディクサンス・ダムの建設作業を記録した最初の短編映画「コンクリート作…
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「スイス映画」の終わり、個性あるスイス人シネアストが生きる!
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スイス映画界を代表するイベントの一つ、ソロトゥルン映画祭が今年で50回目を迎える。始まりは1966年。詩的でありながらも、大胆に政治問題に切り込む、新しい映画の誕生を内外に示した。スイス人シネアスト(映画人)のタネール、ゴレッタ、ステー、シュミットなどの作品は現在も世界中で愛され、その輝きを失ってはいない。
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