スイスの視点を10言語で

ロンザ、スイス工場でのコロナワクチン生産を倍増

ロンザの工場
スイス南部ヴァレー(ヴァリス)州フィスプのロンザ工場 Keystone / Olivier Maire

スイスのバイオ医薬大手ロンザは29日、米モデルナ製の新型コロナウイルス感染症ワクチンを生産するヴァレー(ヴァリス)州フィスプの自社工場に、さらに3つの生産ラインを追加すると発表した。ワクチンの世界供給を増やす措置の一環という。

ロンザには現在、3つの生産ラインがあり、それを倍増する。新しい生産ラインは2022年初めまでに完全稼働する予定。ロンザとモデルナは20年、ロンザが米国外の世界市場向けに、自社工場でモデルナ製ワクチンの原薬を製造する10年契約を締結した。

モデルナは声明で、22年までに全体の供給を最大30億回分に増やす計画だと発表した。1回目の接種の効果を確実にするため投与する「ブースターショット(追加注射)」の需要が来年から増える可能性があるため、同社はワクチン需要が高まると見込む。

一方で、ロンザはフィスプ工場増員に向けた人材採用に苦慮している。独語圏のスイス公共放送(SRF)は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の影響で、バイオテクノロジーの専門家は世界中で売り手市場になっていると報道。連邦内務省は現在、ロンザが連邦政府や連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)、同ローザンヌ校(EPFL)の専門家を登用できるよう支援していると報じた。

ロンザはスイス政府の支援を受け、食品大手ネスレから臨時スタッフを採用したと報じられている。ロイター通信によればモデルナは、英国やカナダなどに対するワクチン出荷の遅れが見込まれていることについて、生産能力に問題があると批判している。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む
ベルジエ報告

おすすめの記事

「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱

このコンテンツが公開されたのは、 スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。

もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
整備中の飛行機

おすすめの記事

スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠

このコンテンツが公開されたのは、 スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。

もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
署名の入った箱

おすすめの記事

国民投票に向けた署名がまたも偽造

このコンテンツが公開されたのは、 医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。

もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
エリック・ヘンニさん

おすすめの記事

スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

このコンテンツが公開されたのは、 1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。

もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部