スイスの視点を10言語で

ノバルティス、国内で450人を新規雇用へ 新薬承認で

ノバルティスのシュタイン研究所
ノバルティスがスイス東部アールガウ州の工場で新たに生産する製品は、スイスと欧州連合(EU)域内で2年以内に販売される Keystone

製薬大手ノバルティスは、細胞・遺伝子治療薬の生産現場に3年間で9千万フラン(約100億円)を投資する計画を発表した。ヨーロッパでの新しい治療薬の提供を目指す。 

 スイス東部アールガウ州シュタインの研究施設を強化する。第1弾として、260人を新しく雇い入れる。新規雇用は2021年までに450人に増える可能性があるという。同社は昨年、バーゼル本社の社員500人を削減し、代わりにバイオテクノロジー事業を中心に350人を新規雇用すると発表していた。

 シュタインで製造する製品は、スイスと欧州連合(EU)域内で2年以内に販売する計画だ。

≫スイス製薬業が抗がん剤に注力するワケは?

≫スイスで進む個別化医療の研究

 ノバルティスのスイス代表、マティアス・ロイエンベルガー氏は「この投資は業界の変化を象徴している」とコメントした。「高度に専門的な新技術への投資が増えれば、伝統的な分野の重要性は小さくなる」

 投資計画は、欧州委員会が同社のがん治療薬「Kymriah」を承認外部リンクした後に発表された。同薬は25歳以下の小児・若年成人の再発・難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病の治療薬として開発された。日本では「CTL019」の名で製造販売承認を申請中だ。

 ノバルティスはすでに米ニュージャージー州モリスプレーンズで、細胞・遺伝子治療薬の製造を専門とする工場を操業している。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

茶色い除湿器

おすすめの記事

ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。

もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む
ベルジエ報告

おすすめの記事

「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱

このコンテンツが公開されたのは、 スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。

もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
整備中の飛行機

おすすめの記事

スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠

このコンテンツが公開されたのは、 スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。

もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
署名の入った箱

おすすめの記事

国民投票に向けた署名がまたも偽造

このコンテンツが公開されたのは、 医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。

もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
エリック・ヘンニさん

おすすめの記事

スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

このコンテンツが公開されたのは、 1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。

もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部