スイス中銀 新50フラン札発表
スイス国立銀行(中銀)は6日、新しい50フラン札(約5700円)を発表した。偽造防止のために、輝くタイプのインクや特別な繊維などを使い、計15種類の特殊性を備えているという。
新紙幣は、4月12日からATMや銀行および郵便局の窓口で入手できる予定で、しばらくのあいだは旧紙幣と新紙幣が流通する。ただしその後、スイス中銀は旧紙幣を回収し、処分していくとしている。
新紙幣のデザインは「手」がテーマ
スイス中銀は6日の記者会見で、当初の予定より6年遅れて発行する新50フラン札は、「革新的な戦略」にのっとり素材や製造技術を一から開発したと説明した。
デザインを手がけたのは、マヌエラ・プフルンダーさん。「見た目と技術を考慮に入れながら、小さな一枚の紙にデザインを描くのはとても難しいことだった。だがとても面白い仕事だった」と語った。
これまでの紙幣では人物が中心に描かれてきた。現行の50フラン札は、幾何学的抽象やダダイズムの旗手でスイスの女性アーティスト、ゾフィー・トイバー・アルプの顔だ。ところが、新50フラン札に登場するのは「手」。この「手」をデザインした理由をプフルンダーさんは、次のように説明している。「手という、ある意味で原始的で直接的な『道具』があれば、すべての人がお金の取引をすることができるから」
ほかの紙幣も新しく
スイスでは今後、ほかの紙幣も新紙幣に変わる。1年後には新しい20フラン札が流通し、次いで10フラン札、200フラン札、千フラン札が市場に出る予定だ。
こうしたすべての新紙幣は旧紙幣同様、紙幣の金額が大きくなるに連れて紙幣の大きさも増していく。つまり10フラン札が一番小さく、千フラン札が面積的に一番大きくなる。
また色においては、新紙幣も旧紙幣のものと同じにする方針だ。そのため、今回新しく発行される50フラン札の色は、前と同じく緑色のトーンになっている。
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