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スイスのメディアが報じた日本のニュース

日経株価が表示された東京の掲示板
日経平均株価が33年ぶりに3万3千円超まで上昇し、バブル後の最高値を更新。独語圏の日刊紙は、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が日本株の追加投資を表明したことが一因だと報じました Keystone

今週(7月14日〜20日)スイスの主要報道機関が伝えた日本関連のニュースから3件をピックアップ。要約して紹介します。

「日経平均株価の上昇」「海上都市の事業構想」「ジュネーブの武道の達人」「人を襲うイルカ」「FIFA女子ワールドカップの日本チーム」「能代ロケット実験場で爆発」「宮崎駿監督の10年ぶりの新作映画」―といったトピックスが取り上げられました。

この中から今回は「日経平均株価の上昇」「海上都市の事業構想」「ジュネーブの武道の達人」をご紹介します。

33年ぶりの高値をつけた日本株

日本株が好調―。日経平均株価(225種)が33年ぶりに3万3千円超まで上昇し、バブル後の最高値を更新したのを受け、独語圏の日刊紙NZZは16日付で、上昇の背景や今後の見通しについてのQ&A記事を配信しました。

記事では高値回復の一因として、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が日本株の追加投資を表明したことで、既に強気だった相場の勢いが増したと説明。それ以外のプラス要因として、日本は欧米諸国に比べ差し迫った不況に直面していないことや、脱コロナが遅れたことでの成長の余地、日銀による金融緩和の継続、インフレ率の低さなどを挙げました。

資産運用会社ティー・ロウ・プライスのポートフォリオマネジャーを務めるアーチボルド・シガナー氏は同紙に対し、日本株はまだ値上がりする可能性があると発言。魅力的な評価額で優良企業への投資機会を提供していると説明しました。また同紙は、中国で事業を展開する日本企業の株を買うことで、世界第2の経済大国の利益を間接的に得られるというメリットにも触れています。

同紙は、リスク要因として予期せぬインフレ率の急上昇、金融危機や都市部での地震発生、富士山の噴火を挙げました。とはいえ、日興アセットマネジメントのグローバル・チーフストラテジスト、ジョン・ベイル氏は同紙に対し「日本の政治的リスクは低い。テクノロジー分野における世界的な需要の回復と中国の景気回復も、日本の輸出に恩恵をもたらすだろう」とコメント。さらなる株価上昇につながる可能性があるとしています。(出典:NZZ外部リンク/独語)

気候難民のための海上都市

スイスでは先月18日に行われた国民投票で、2050年までに気候中立の実現を目指す連邦政府立案の環境保護法が可決されました。そんな中、無料紙20min.が15日配信の記事で、気候変動による海面上昇などを念頭に考えられた、日本のスタートアップ「N-ARK(ナーク)」による海上都市「Dogen City」の事業構想を紹介しました。

記事によると、Dogen Cityは現代的な生活機能を備えたリング状の海上都市で、1万人が定住できるように考えられています。水の冷却機能を生かすため、住民の情報を保存する巨大なデータセンターのほか、病院や市庁舎は全て水面下に。また、この都市のもう1つの目的は、先進的な医療施設を通じて「メディカル・ツーリズム」を促進することだと伝えました。(出典:20min.外部リンク/独語)

武道60年

仏語圏の日刊紙トリビューン・ド・ジュネーブは18日、夏のシリーズ「ジュネーブのスポーツ選手」第8回で、日本の杖道(じょうどう)、居合道、書道の達人であるパスカル・クリーガーさんのインタビューを掲載しました。

1963年に柔道を始めたのを機に、60年武道を続けてきたクリーガーさんにとって、練習はすでに生活の一部。クリーガーさんは、日々、自分が変わっていくのを感じてきたと話します。

「今、かなりの健康問題を抱えているが、武道は私に適応し、変化を受け入れることを助けてくれました。何十年練習していても、常に新しい気づきがある。驚くことに、後退しているときでも進歩しているのです」(出典:トリビューン・ド・ジュネーブ外部リンク/仏語)

注目のスイスのニュース

今週、最も注目されたスイスのニュースは、「EPI英語能力指数」の2022年版最新ランキングで、スイスは欧州域内で23位と、欧州諸国の中では英語能力が低い国の1つであることが明らかになった記事(記事/日本語)です。ほかにも、スイス連邦運輸省交通局(BAV)がスイスのスタートアップによる世界初の線路用「着脱式」太陽光パネルシステムの試験計画を却下した記事(記事/日本語)や、スイス・ヴァレー(ヴァリス)州で起こった山火事の記事も話題になりました(記事/日本語) 。

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次回の「日本のニュース in スイス」は7月28日(金)に掲載する予定です。

編集:宇田薫

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