ローザンヌ国際バレエコンクール2017の準決勝で2月3日、20人の決勝進出者が決まった。日本からは、藤本結香(ゆいか)さん、山元耕陽(こうよう)さん、中尾太亮(たいすけ)さん、太田倫功(りく)さんの4人が選ばれ、明日の決勝に臨む。4人に喜びの声を聞いた。
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藤本結香さん
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ローザンヌバレエ、藤本結香さんにビデオインタビュー
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ローザンヌバレエ2017の2日目、コンテンポラリーのクラスでコーチが次々と違う動きを教える。それらすべてを正確に飲み込もうと、藤本結香(ゆいか)さんはもう一つのグループが踊っているときも、片隅で手や足を使って動きのおさら…
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4人の中で一番若い藤本結香(ゆいか)さんは、山口市出身の15歳。決勝に残った喜びを「うれしいというより、びっくりしました」と語った。
クラシックもきちんとしていたが、コンテンポラリーの「シンデレラストーリー」は、シンデレラが怒っている時やうんざりしている時の振りなど、個々の動きに感情がこもり、顔の表情も変化に富んだ素晴らしい踊りだった。
実は日本で準備した時、個々の動きの意味を考えるようにと先生に言われ、ストーリーをノートに書き「自分のシンデレラストーリーを作った」という。「でも、ここでコーチに詳しく動きの意味を説明され少し訂正を入れました」
明日は、楽しんで踊りたいという。
山元耕陽さん
山元さんは、「アクリ・堀本バレエアカデミー」から出場した4人のダンサーの1人。決勝進出が決まり、「びっくりした。とにかくうれしい。支えたくれた両親に直ぐに知らせたいです」と話した後、「明日は、他の決勝に出場できないみんなの分までがんばりたいです」と続けた。
クラシックでは、ポジションがきちんとした踊りで、観客からブラボーの声が飛んだ。
中尾太亮さん
昨年ローザンヌバレエに出場したが、怪我で準決勝の舞台に立てなかった中尾さんは、「今年はきちんと衣装を着て舞台で踊れたので、まずそれが何よりもうれしかった。明日は、150%を出そうといった風に力を入れすぎないよう、普段の練習通りにやり最後まできちんと踊りたい」と話した。
中尾さんのクラシックは、高いジャンプやピタリと決まったそれぞれのポジションが美しく、全体に優雅さが漂った。
太田倫功さん
太田さんは、ドイツのジョン・クランコ・バレエ・スクールの3年生。今日の準決勝で、クラシックは高いジャンプときれいなポジションで完璧に決めた。コンテンポラリーのほうも、音に乗った動きがピタリと正確で、ジャンプも美しく、観客から歓声の声が沸いた。
また、踊った直後に「今日はリラックスしてうまく踊れた」と話していた大田さんは、決勝進出が決まって、「本当にうれしいです。でも明日があるから油断はできない。今日のようにリラックスして楽しみたい」と結んだ。
ところで、クラシックのコーチを担当するパトリック・アルマンさんは準決勝前、「今年の男子のレベルは全体に高く、とてもいい。日本の男子にも、いいダンサーが3、4人いる」と話していた。
第45回ローザンヌ国際バレエコンクール
同コンクールは、ブランシュバイグ夫妻によって1973年に創設された。15~18歳の若いダンサーを対象にした世界最高の国際バレエコンクールで、若いダンサーの登竜門の一つとも言われる。目的は伸びる才能を見いだし、プロになるための支援をすることにある。
今年は、2017年1月30日から2月4日まで開催。昨年秋のビデオ審査で選ばれた17カ国の68人が参加した。このうち日本からは12人。過去11年間、日本はいつも最多数のダンサーを送り込んできた。
例年通り今年も、二つの年齢グループ(15~16歳と17~18歳)に分かれて4日間コーチを受け、5日目の2月3日には参加者全員が舞台で踊り、決勝進出者20人が選ばれた。
明日2月4日の決勝では、この20人から8人の入賞者が選ばれる。全員同額の奨学金を得て、希望するダンススクールかカンパニーで1年間研修ができる。なお、同コンクールには、世界的に有名な53のダンススクールとカンパニーが協賛している。
今年の審査委員は9人で構成され、審査委員長は英国ロイヤル・バレエ団のディレクターであるケヴィン・オヘア氏。またベルギー王立 ロイヤル・フランダース・バレエ団のプリンシパル、斉藤亜紀さんも審査員の1人として参加する。
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