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スイスのクリスマスと年末年始 日本とどう違う?

シンギング・クリスマスツリー
チューリヒ名物の「シンギング・クリスマスツリー」。ツリー型のステージにコーラス隊が立ち、歌を披露する Keystone/Christian Ruckstuhl

年の瀬はクリスマスや年末年始とイベントが目白押しだ。ところで、スイスではどうやってお祝いするのだろうか。スイスインフォのフェイスブックに寄せられた読者のコメントやメッセージなどを元に、日本とはちょっと違う「スイスの年末の過ごし方」を紹介する。

クリスマスが近づくと街中に市が立つ:冬になると、街中の広場や駅にクリスマスマーケットと呼ばれる市が立つ。キャンドルやツリー飾りといったクリスマス用品、クッキーなどのお菓子、ジャガイモにとろとろのチーズをかけたラクレット料理の店が並び、観光客や地元民でいつもにぎわっている。買い物を済ませたら、ワインと香辛料で作るホットカクテル(独語でグリューワイン、仏語ではヴァン・ショー、伊語でヴァン・ブルレと呼ばれる)で冷えた体を温めるのが定番の楽しみ方だ。

クリスマスマーケット
首都ベルンのクリスマスマーケット Bern Tourismus
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クリスマスマーケット

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最も美しいクリスマスマーケットの音

このコンテンツが公開されたのは、 中央スイスに位置する修道院の町、シュヴィーツ州アインジーデルンのクリスマスマーケットは、この国で最も美しいものの1つ。毎年7万人が訪れる。今年は、ある「一時的な措置」のおかげで開催にこぎつけた。

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チョコが出てくるカレンダー:11月末になると、日付のところに窓の形のふたが付いた立体のカレンダーがスーパーや百貨店に続々と登場する。これは12月1日からクリスマスまでの日数を数えるための「アドベントカレンダー」と呼ばれるもの。毎日、日付のところの窓を開けるとチョコレートやおもちゃが出てくる。何が入っているかは、開けてのお楽しみだ。アドベントカレンダーを恋人や家族に手作りする人も多い。

なまはげが来る?:ドイツ語圏では、「サンタクロース」が来る日はちょっと怖い。6日の聖ニコラウスの日に、白いひげをたくわえ、赤いガウンを着た子供の守護聖人、聖ニコラウスが枝木の鞭(むち)を持った従者シュムッツリを連れて森からロバでやってくる。聖ニコラウスが持っている本には子供たちの1年の行いが記録されていて、お行儀が悪かった子はシュムッツリの鞭でお仕置きされる。

聖ニコラウスとシュムッツリ
聖ニコラウス(左)とシュムッツリ Keystone

ツリーの飾りは家族の歴史:スイス人は室内のクリスマスツリー用に本物のモミの木を買い求める人が多い。各地でモミの木の市が立つが、自宅でツリー用の木を育てる愛好家もいる。ツリーには電飾ではなく火を灯した本物のろうそくを飾る。オーナメントは毎年一つずつ買い足したり、先祖代々伝わるものを大事に使い続けたりしている家庭もある。飾り一つ一つに、家族の歴史が刻み込まれているのだ。

クリスマスイブは家族の時間:日本では、24日のクリスマスイブは恋人たちの日というイメージが強いが、スイスでは家族や親類と過ごす大切な日。遠く離れた場所に住む子供たちもこの日は実家に帰り、みんなで食卓を囲む。

ミートフォンデュ
クリスマスに、肉をブイヨンスープに浸して食べるミートフォンデュを食べる家庭も多い Getty Images

子供のキリストがプレゼントを運んでくる:イブの日、子供たちが一番楽しみにしているのは何と言ってもプレゼント。ここスイスでは、サンタではなく子供のキリスト(独語でクリストキントリ、伊語でジェズ・バンビーノ)が空を飛んで運んでくる。子供たちが外で遊んで帰ってくると、いつの間にかツリーの下に、たくさんのプレゼントが置かれているのだ。フランス語圏では日本と同じ。子供たちが寝静まった後にサンタクロースがやってくるとされる。

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スイスは本当にキリスト教国?

このコンテンツが公開されたのは、 スイスはキリスト教徒が最も多い。だが様々な信仰が混在しているのも事実で、宗教や宗派も多岐にわたる。

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身支度を整えるサミクラウスとシュムッツリ

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スイスのサンタさんが通う学校

このコンテンツが公開されたのは、 「サミクラウス」の名で知られるスイスのサンタクロースは、よりサンタクロースらしくいられるように毎年、ブラッシュアップセミナーに参加する。セミナー受講者たちはどのような悩みや課題を抱えているのか。チューリヒの講習会を訪ねた。

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野菜の王様カルドン:フランス語圏でクリスマス定番の野菜といえば、ジュネーブ産の「カルドン」。日本ではほとんど知られていないが、茎が太いフキに似たアザミ科の野菜で、七面鳥の丸焼きと一緒にカルドンのグラタンを食べるのが定番だ。デザートは、もちろんビュッシュドノエルを。

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クリスマスのご馳走に「カルドンとトリュフ」

このコンテンツが公開されたのは、 ピエトリ氏は、フランス語圏の日刊紙「ル・タン」の日曜版にウイットに富む記事を掲載する料理研究家。「カルドンは祖母が育てていた。春に種をまくと秋には1メートルを越える高さに成長。その後白さを保つため冬まで覆いをかけて世話を…

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新年には花火が上がる:年末年始は、家族でゆったり過ごす日本と逆で、友人とわいわい過ごすのがスイス流。1日よりも31日夜がメインで、あちこちでカウントダウンイベントが開かれる。ホームパーティを開く人もいる。年が明けた瞬間に花火が上がり、シャンパンで乾杯。近くにいる人と握手したり、頬にキスしたりして新年の到来をお祝いする。

ルツェルンの花火
ルツェルンの新年の夜空を彩る花火 Keystone/Urs Flueeler

ガレット・デ・ロワ:キリスト教の祝日の一つ、1月6日の公現節の日に、フランス語圏では「ガレット・デ・ロワ」と呼ばれるフランスのパイ菓子を家族で切り分けて食べる。パイの中にはフェーヴと呼ばれる陶製の小さな人形が一つだけ入っていて、当たった人は幸運が1年間続くといわれる。

新年が2回来る地域がある:スイス北西部にあるのどかなアッペンツェル地方では12月31日と1月13日の2回、新年のお祝いをする。31日はグレゴリオ暦、13日はユリウス暦の大みそかに当たり、お面と大きな頭飾りを載せた「シルベスタークラウス」が家から家へ練り歩き、家の前に着くと半円の形に並んでカウベルを鳴らしヨーデルを歌う。この地に伝わる伝統行事だ。

シルベスタークラウス
ミステリアスな雰囲気のシルベスタークラウス swissinfo.ch
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オーストリアのブレゲンツにあるメーレラウ修道院の礼拝堂に描かれたローマ教皇グレゴリウス13世の肖像

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「血みどろの殴り合い」で旧暦を死守

このコンテンツが公開されたのは、 「正しい暦」をめぐるカトリックとプロテスタントの対立は、スイスでは200年以上続いた。スイス最後の自治体がようやくグレゴリオ暦に切り替えたのは1812年のことだ。1796年か97年のある日、「イランツでグレゴリオ暦の支持者が村の教会に乱入し、祈りに使う木製ベンチを引きはがし、ズタズタに切り刻んだ」という記録が残っている。2世紀に渡ってグラウビュンデン地方の自治体イランツを分断していた対立がちょうどクライマックスを迎えていた頃だ。この出来事は、1582年にグレゴリウス13世が大規模な暦法改革を行って以来、スイス全体が抱えていた問題を縮図にしたような事件だった。

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メリークリスマスと新年明けましておめでとうは何て言う?:スイスドイツ語では「Schöni Weihnachte(ショーニ・ヴァイナクテ)」、新年は「Guets neues Jahr(グエツ・ノイエス・ヤー)」などと言う。ただ方言によって異なるので、ぜひ現地の人に聞いてみよう。方言であいさつしたら、きっと喜ばれるはず。

 フランス語圏ではクリスマスは「Joyeux Noël(ジョワイル・ノエル)」、新年は「Bonne Année(ボナネ)」、イタリア語では、「Buon natale(ブォナターレ)」、新年は「Buon Anno(ブォナンノ)」。

その他、読者から寄せられたコメントはこちら。

  • 24日夜にみんなで教会のミサに行く。パイプオルガンがメインの静かなもの。一方、年末のミサは明るく楽しい雰囲気
  • クリスマスはどこのお店も休み。この時期に旅行で来ると時間を持て余す
  • クリスマス前には何種類もクッキーを焼いて、近所や家族、友人に配る
  • 年末年始は旅行に出かける人が多く、街中はシーンとしている
  • 正月になってもお年玉はもらえない
  • ツリーの役割を果たしたモミの木は暖炉の薪として使われるか、ツリー回収の日にごみの集積場に置いておく
  • 12月、チューリヒ中央駅前のメイン通りに「歌うクリスマスツリー」が登場する。巨大なツリーの葉の部分に足場が張り巡らされ、子供や大人のコーラス隊がそこに立って歌を披露する
  • スイスでは、除夜の鐘の代わりに教会の鐘が鳴る
  • 夜にクリスマスキャロルを聞きに行く学校行事がある

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