かつて天才少女と呼ばれ、4大大会通算25勝という輝かしい業績を挙げた女子テニスの元世界女王マルチナ・ヒンギス(37)が、3度目の引退を表明し、その現役生活に終止符を打った。スイスインフォは2003年、一度目の引退をしたヒンギスにインタビューをしていた。
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マルチメディア・ジャーナリスト。2017年にswissinfo.ch入社。以前は日本の地方紙に10年間勤務し、記者として警察、後に政治を担当。趣味はテニスとバレーボール。
ヒンギスは2003年、足首の負傷で1度目の引退を表明後、スイスインフォのインタビューに応じ、当時4大大会を初制覇した1歳年下のロジャー・フェデラー(36)への思いや家族、子供について語っていた。
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ヒンギスは今年10月26日、シンガポールで行われたWTAファイナル開催中に、自身のフェイスブックでこの大会を最後に現役引退すると発表。ダブルス準決勝で敗れ、これがラストマッチとなった。ヒンギスはこの試合の前に行われた引退会見で「今は休養する時間が必要。けれど私はテニスからこれっきり立ち去るわけではない。コーチの経験もある。母のテニススクールを手伝うなど、これからも私の人生の一部であり続ける」と語った。
スイスの無料紙ブリックによると、フェデラーは10月末、バーゼルで行われた室内テニス大会「スイス・インドア・バーゼル」開催中に報道陣の取材に答え「マルチナはいつも私に進むべき道を示してくれた人物の一人。彼女のような素晴らしい人物がスイスにいたことはラッキーだった」とはなむけの言葉を贈った。2人は2001年のホップマンカップのダブルスでペアを組み優勝したこともある。
ヒンギスはチェコスロバキア(現スロバキア)のコシツェで生まれ、8歳でスイスに移住した。
母親の指導で2歳からテニスを始め、早くから才能を開花させた。14歳でプロ転向。1996年、15歳9カ月でウィンブルドン選手権のダブルスを史上最年少で優勝すると、16歳3カ月で全豪オープンの女子シングルスを制し、同大会でも史上最年少チャンピオンになった。同年3月、最年少の16歳6カ月で世界ランク1位に上りつめ、その年は全豪オープンに続きウィンブルドン、全米オープンを制して4大大会の3冠を達成した。日本でも飲料のコマーシャルやテレビのバラエティ番組に出演するなど、人気者になった。
だが、ヒンギスは足首の負傷に悩まされ、2003年に22歳で引退。2年後に現役復帰したが、2007年のウィンブルドン選手権中、薬物検査でコカインの陽性反応が出た。ヒンギス本人は使用を否定したが、モチベーションが下がったなどとして再び引退した。2013年にテニス界へ再び舞い戻り、今度はダブルスで活躍。ダブルス、混合ダブルスで4大大会のタイトルを10度手にした。2016年のリオデジャネイロ五輪ではダブルスで銀メダルを獲得した。
ヒンギスは2013年、国際テニス殿堂入りを果たしている。
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