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クレディ・スイス、第1四半期は11億フランの黒字に

19%という高い自己資本比率の導入も、クレディ・スイスには不安なし Keystone

スイス第2の大手銀行クレディ・スイス ( Credit Suisse ) は4月27日、2011年第1四半期の業績を発表した。

投資部門の業績が引き続き好調なのを受け、純利益は前期比で35%増の11億フラン ( 約1032億円 ) を計上したが、前年同期と比較すると大きく落ち込んだ。

 クレディ・スイスでは第1四半期、再び新規顧客からの資金流入が増加し、ニューマネーの実額は、コンツェルン全体で191億フラン ( 約1兆7924億円 ) に達した。前年同期には260億フラン ( 約2兆4400億円 ) を計上したものの、第4四半期、つまり前期には139億フラン ( 約1兆3044億円 ) にまで減少した。

各部門の業績

 クレディ・スイスの管理資産は3月末現在1兆2800億フラン ( 約120兆1242億円 ) に上っている。過去3カ月間で2.3%増加したが、今回の発表によるとこれは、新たな顧客資金の流入と債権市場および株式市場における伸びによるものだ。

 資産管理 ( プライベートバンキング ) 部門における業績は前年をわずかに下回る。クレディ・スイスはこれを、手数料などの収益の減少や人件費のわずかな増加によるものとみている。

 投資銀行部門の税引き前利益は13億4000万フラン ( 約1257億5500万円 ) を計上。好調だった前年第1四半期との比較では25%の減少だが、5億5800万フラン ( 約523億6660万円 ) を計上した前期と比べると大幅に増加した。

 資産運用事業部門での機関投資家やオルタナティブ投資 ( アセットマネジメント ) においては、税引き前利益は1億7200万フラン ( 約161億4160万円 ) で前四半期とほぼ同じとなった。

 最高経営責任者 ( CEO ) のブレイディ・ドゥーガン氏はプレスリリースの中で、

 「クレディ・スイスのビジネスモデルが安定的かつ持続的な収益を可能にしたことが改めて証明された。金融市場の先行きは不透明だったが、顧客数や市場占有率を拡大することができた」

 と発言している。

新規制導入、不安なし

 大手銀行を対象とした自己資本比率に関する新規制導入に対し、クレディ・スイスは基本的には肯定的だ。

 「銀行は、より厳しい自己資本比率規定を順守しなければならないということが、金融危機ではっきりと示された」

 とドゥーガン氏は指摘する。クレディ・スイスも競合銀行と同様、今後高額の準備金を維持しなければならない。

 スイス政府が設置した専門家委員会の推奨により2018年以降、自己資本比率を原則19%と定める可能性がある。国際的に議論されている基準を大幅に上回る数字だ。ドゥーガン氏は、新規制が導入されてもクレディ・スイスには問題はなく、国際競争で不利になることもないとみている。

 対照的なのは、ライバル銀行であるスイス最大手のUBSだ。CEOのオズワルト・グリューベル氏は、4月26日の第1四半期業績発表に際し、厳しい新規制が国際競争において障害となる恐れを指摘し、新規制の導入を厳しく批判した。

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