クレディ・スイス、黒字に転じる好業績
スイス第2大手銀行のクレディ・スイスが2月14日、2009年の業績を発表し、年間の純利益は67億フラン ( 約5660億円 ) を計上し、昨年の82億フラン ( 約6900億円 ) に上る赤字経営から立ち直ったと述べた。
ただ第4四半期の純利益7億9300万フラン ( 約670億円 ) は年間最低額を計上。しかし、幸いにも2009年第4四半期の新資産投資額は125億フラン( 約1兆560億円 ) を計上したと付け加えた。
過去第3番目の好業績
金融危機の波をかぶり、昨年82億フラン ( 約6900億円 ) の赤字を出したクレディ・スイス ( Credit Suisse ) だが、スイス銀行最大手のUBSとは対照的に連邦政府のてこ入れなく、最高経営責任者 ( CEO ) ブラディ・ドゥーガン氏の指揮下、黒字に転じる経営に成功した。
さらに、この2009年の純利益高は、クレディ・スイスの歴史が始まって以来第3番目に良い業績ともなっている。
またドゥーガン氏は、第4四半期の純利益が思わしくなかったものの、新資産投資は健全だと語り
「2009年の第4四半期は、多数の顧客による資産投資が伸び、良好なスタートを切っている。顧客とのパイプラインも堅く、新規資産流入も金融危機以来最高の状態だ」
と解説した。
一方、ライバルのUBSも先週の業績発表によると、2008年度の大幅赤字からようやく立ち直りを見せ、2009年度の第4四半期が黒字決算に転じている
ボーナスも21%下回る額
クレディ・スイスの第4四半期の低純利益の主な原因は、イランなどを含む国の顧客のために何千件もの取引を隠ぺいしたことでアメリカから要求された5億フラン( 約420億円 ) の罰金が響き、また、UBSと同様イタリア政府が実施した脱税恩赦で、多くの顧客が銀行口座を解消し、その額が約56億フラン( 約4700億円 ) に上ったためだという。
一方、行員のボーナスに関しては、2007年より21%下回る額に固定したと発表し、2009年の平均額は14万4000フラン ( 約1200万円 ) で2007年度は18万フラン ( 約1500万円 ) だった。これに関しドゥーガン氏は
「われわれは今後、平等でバランスの取れた、功績を重視した新ボーナス制度を適用していくつもりだ」
と説明した。
外電、swissinfo.ch
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