スイスの航空機メーカー、ピラタスは、サウジアラビア軍の物資運搬を支援する契約をスイス外務省に伝えていなかったとの疑惑を否定した。国外での戦闘活動に繋がりうる民間契約の報告を義務付けるスイス連邦法に違反したとの疑いが持たれている。
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ピラタス社のオスカー・シュヴェンク社長は複数のスイス地域紙に28日に掲載されたインタビューで、同社はサウジ軍との契約について十分な情報を当局に提出し、必要な許可を全て得たと話した。
シュヴェンク氏は「ピラタス社はあらゆることを正しく行っている」と主張した。
ピラタス社は2017年、サウジ空軍が所有するPC-21艦隊を整備する契約を結んだ。同社の17年の年次報告書によると、契約期間は5年以上に延長され、首都リヤドに駐機する55機が対象だと記載されている。
スイスの私的保安サービスに関する連邦法に基づき、同社はこうした契約を外務省に報告する義務がある。スイスメディア各社は26日、外務省は最近になって「独自の調査によって初めて」契約の存在を知ったと報じた。外務省は、契約内容を精査中だと報道内容を認めた。
経緯は…
シュヴェンク氏は、同社が14年に4年間有効のサウジに対する一般輸出許可を得たと説明。この許可により、ピラタス社はサウジへの航空機販売やサポート、ソフトウェアのアップデートやメンテナンス関連の技術提供ができる。問題になっている運搬支援契約は、14年の契約の追加契約だった。
ピラタス社は15年に外務省と連邦経済省経済管轄局(SECO)に連絡し、同社の事業活動と輸出許可を報告したという。メンテナンス契約の存在も明示したが、外務省はすでにSECOが商人した契約であれば追加の承認は不要だと指摘した。シュヴェンク氏は、こうした経緯を書面にしてあると明かした。
シュヴェンク氏はこの機会に、承認手続きが二つの部署に分かれていることを批判した。「今後は全て1カ所、1役所で完結すべきだ」と指摘した。
法律では…
国外で提供される私的保安サービスに関する連邦法(15年発効)によると、国外で保安サービスを提供するスイス企業は外務省に事業内容を報告する義務がある。
スイスを拠点とする企業は、国外での戦闘活動に直接加わる目的で行われる活動に携わることが禁じられている。また、深刻な人権侵害につながる可能性のある事業も禁止されている。 サウジはイエメンの内戦に関与していることから、サウジへのサービス提供の是非が問われている。
シュヴェンク氏は、ピラタス社とサウジとの契約は許可されているものとされていないものを明確に線引きしており、問題はないとの見方を示した。またイエメンでの紛争やトルコで殺害されたジャマル・カショギ記者の事件を非難した。
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