スイスのプライベートバンク大手ジュリアス・ベア(本店・チューリヒ)のフィリップ・リッケンバッハー最高経営責任者(CEO)は3日、今年、300人を雇用削減すると発表した。昨年の2ケタ台の減益を受け、新たな事業戦略で利益率の改善を狙うという。
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リッケンバッハー氏は、利益率の圧迫が続く現状を打破するため、新たな3年間の戦略で収益を促進すると語った。
2億フラン(約220億円)のコスト削減と増収により、調整後の経費率(CIR)を2022年までに67%まで抑える。これまでの設定目標は68%、2019年の実績は71%だった。
リッケンバッハー氏は「顧客アドバイスと技術への投資を加速させる」とし「預かり資産の増加を追い求める経営戦略を脱し、息長く成長を続けることに重点を移す」と語った。
顧客は超富裕層
リッケンバッハー氏は昨年9月にCEOに就任以降、取締役の人数を減らすなど効率改善に力を入れる。特に重視するのは超富裕層をはじめとした顧客サービスだ。
同行は3日、富裕層・超富裕層向けのサービスを拡大し、顧客アドバイスや技術投資の促進により、今後3年間で1億5千万フランの増収を見込むとした。
2019年の純利益は前年比37%減の4億6500万フランだった。旧東ドイツの資産をめぐりドイツ当局から起こされた訴訟の関連費用と、買収した投資信託会社カイロスの減損費用の計約250億フランが影響した。
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