スイス南部ティチーノ州ベリンツォーナで14、15日の2日間、日本の文化を紹介する「ジャパン祭(Japan Matsuri)」が開かれ、スイスや隣国イタリアなど欧州各地から過去最高の約9千人が来場した。14日には、400年の歴史を持つ岐阜県飛騨市の「古川祭」を日本から初めて招待し、巫女の衣装を着た女性たちが優雅な舞を披露した。
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2004年から日本およびスイスの映像・メディア業界で様々な職務に従事。
古川祭外部リンクは岐阜県飛騨市古川町の気多若宮神社の例祭で、祭りの「起し太鼓・屋台行事」は国の重要無形民俗文化財に指定外部リンク、並びにユネスコ無形文化遺産に登録されている。ジャパン祭外部リンクでは「獅子舞」と二人の巫女による「浦安の舞」を披露。古川祭の映像もプロジェクターで流した。主催者代表のシェイラ・ムッジャスカさんは、本物の日本の祭りを呼ぶ長年の夢が叶ったと喜び、「圧巻のパフォーマンスだった。今回は祭りの一部だけしか紹介できなかったが、今度は祭り全体を招待できれば」と話した。
開催期間中、舞台では世界で毎年250以上の公演を行う「寶船(宝船)」の阿波踊りや、太鼓演奏、コスプレコンテストなどのステージが観客を魅了。指圧や日本犬を紹介するブースもあった。また、イタリア語圏の日本人会と日本文化交流会でつくる「カメリア会」と共同で、茶道や弁当作りの実演のほか、来場者が折り紙、書道を学ぶワークショップも開かれた。すしやたこ焼き、甘味などの日本食を堪能できる「ストリートフード」コーナーは特ににぎわったという。
ジャパン祭りは「ジャパン祭協会(Japan Matsuri Association)」が主催。毎年4月に開いており、今年で7回目。2011年3月の東日本大震災後、日本に興味関心を持つ青年有志が立ち上げた。さまざまな日本の文化をPRし、日本と世界の国・文化との交流促進を目指す。同祭はあしなが育英会の活動「東北レインボーハウス外部リンク」を通じ、幅広い年齢の震災津波遺児を支援している。
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スイス人の「食」、その過去と未来を探る展覧会
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スイスには、いわゆる「国民食」というものがない。地方それぞれに伝統の味があり、それはこの小国の社会の歩みや政治のあり方を反映しているようだ。
「食というテーマが面白いのは、それが栄養をとるという原始的欲求で終わらないからだ」。そう説明するのは、シュヴィーツ市にあるスイス国立博物館スイス史フォーラムで開催中の展覧会、「Was isst die Schweiz?(スイス人は何を食べているか?)」のガイド役を務める学芸員のピア・シュビガーさん。2室に分かれた会場には、さまざまにコーディネートされたテーブルが随所に置かれ、展覧会の主役となっている。シュビガーさんは、「テーブルは人々が集い食事をとりながら社会生活を営む場所」と言い、これをコンセプトの要(かなめ)と考えている。
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日本からスイスに1350人 五感で魅了した「ニッポン」
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今月22日から1週間、首都ベルンで開催されたジャパンウィーク。この市民同士による国際交流イベントに参加するため、日本から65団体、約1350人の日本人がスイスにやってきた。日本の食、音楽、伝統工芸などを通じ「ニッポン」をもっと知ってもらおうと、ベルンのあちこちでイベントやコンサートを開催。五感で感じられる、あたたかな交流週間となった。
「今回、世界遺産であるベルン市で『ジャパンウィーク』を開催するにあたり、1350人の参加希望者が集まった。これは29年ある『ジャパンウィーク』の歴史の中でも、トップ5に入る数」。多くの来場者であふれかえるパウルクレーセンターの展示会場でそう話すのは、公益財団法人国際親善協会の若林幸宏常務理事だ。同協会は市民同士の草の根レベルの国際交流を目的とし、世界各国でジャパンウィークを開催。今年は日本・スイス国交樹立150周年を記念し、ベルン市と共催した。
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