スイスの紙幣は定期的にデザインが更新され、流通が停止した旧紙幣については20年の交換期限が設けられている。スイス連邦内閣は21日、この制度の廃止を議会に提案した。
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スイスには10、20、50、100、200、1千フラン紙幣がある。1フランは23日時点の為替レートで約114円。紙幣は15~20年ごとに新調され、旧紙幣はスイス国立銀行(スイス中銀)によって回収される。旧紙幣は通貨としての価値を失うが、流通停止から20年以内であれば同価値の新紙幣と交換してもらえる。現行の制度は1921年に導入された。
連邦内閣は議会に向けた声明で、この制度がもはや現代的ではないと指摘。ここ近年で平均寿命は伸び、人口の流出入も劇的に増加したことを理由に挙げた。制度を撤廃すれば、知らないうちに紙幣の交換期限が過ぎ、価値が失われることもなくなるとした。
>>世界で最も高額の1千フラン札、もし交換期限がなくなったら?
また、制度を廃止しても偽造などの犯罪リスクは増加しないとした。ただ、支払いに使えるのは流通停止から半年が経過するまでという規則は残す。その後はスイス中銀の支店、または郵送での交換が必要になる。
英ポンド、ユーロ、米ドルなどの主要通貨は交換期限が存在しない。
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1.まずはベルンとチューリヒの銀行で、数日後にはスイス全国の銀行で入手可能になる。
2.新20フラン札は旧20フラン札よりも小さい。スイス国立銀行(中銀)によると、生産が効率的で、消費者にとってより使いやすい大きさだからだという。
3.国章の十字や色が変化する地球儀のデザインなどに、計15種類の偽造防止技術を採用。
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スイス中銀、新20フラン札を発表
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スイス国立銀行(中銀)は10日、新20フラン札を発表。新紙幣の基本色は赤色で、モチーフにはロカルノ国際映画祭のスクリーン、チョウ、地球儀が描かれる。新紙幣は今月17日から流通が開始する。
新紙幣各種のテーマは「多様なスイス」。スイス中銀のフリッツ・ツアブリュック副総裁は記者会見でそう話し、新20フラン札はスイスの創造的な面を象徴していると語る。新20フラン札ではスイスが文化の場として、また様々な分野における文化的、芸術的活動の場として描かれているという。
「この紙幣の主な要素は光だ」とツアブリュック氏は話す。「光のおかげで、自然や、人が創造した作品を視覚的に認識できる。そのため光は創造性というテーマと深く結びついている」。新20フラン札の基本色はこれまでと同様の赤色だ。
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世界一安全な紙幣、50フラン
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スイスの50フラン紙幣が、国際銀行券協会(IBNS)の紙幣コンペで「バンクノート・オブ・ザ・イヤー2016」を受賞した。
芸術的価値があり、革新的なセキュリティ機能を備えた紙幣に与えられる「バンクノート・オブ・ザ・イヤー」。今回受賞したスイスの50フラン紙幣は偽造防止のために、特殊な繊維や赤外線吸収インク、光学的変化インクを使うなど、計15種類の特殊性を備えている。さらに3層構造のうち2層には、綿紙と補強性のある高分子素材が使われており、従来の紙幣よりも耐久性がある。
IBNSはスイスの50フラン紙幣について「3層構造のDurasafe® 技術を採用した鮮緑の縦型紙幣には、タンポポの綿毛、山脈を背景に宙を舞うパラグライダー、創造性にあふれる人間の手が描かれている」と話す。
高分子素材を使用した紙幣が「バンクノート・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるのは今回で3度目だ。
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本物にしては出来過ぎたスイスの「金地金」
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数十億売り上げる中国のインターネット通販最大手アリババグループが運営する国外向けの通販サイト、AliExpressで「スイスの金地金(ゴールドバー)」が格安で販売されている。
この「高品質な金のめっき加工が施された金地金」には、スイスの銀行「クレディスイス」の文字と金塊商品管理番号を思わせる数字が刻印されている。同商品の配送は米国と欧州の数カ国を対象としているが、スイスは含まれていない。
販売価格は一枚、2.90ドル(約334円)。1オンスにつき1000フラン以上(1グラムにつき50フラン以上)する本物の金地金とは大きな価格差だ。
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1000フラン札は「スイス文化の一部」
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スイスの1000フラン札(約11万円)は世界で最も高額な紙幣の一つだ。欧州中央銀行は今月4日、違法行為を防止する目的で2018年末までに高額紙幣の500ユーロ札の発行を停止する計画を発表したが、スイス政府は「1000フラン札はスイス文化に欠かせない」として同紙幣発行の継続を明らかにした。
スイス国内で流通している1000フラン札は、2000~14年の間に2千万枚から4千万枚へと倍増した。
中道左派のスイス社会民主党マルグレット・キーナー・ネレン議員はテロリストや犯罪者間での現金取引やマネーロンダリングに悪用されやすいとの観点から、高額紙幣の流通を懸念する。
だがスイス政府は19日、こうしたリスクを認識しており、高額紙幣を使った違法行為の防止に必要な対策はすでに講じられていると文書で回答した。
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