スイス国内最大の古紙選別施設「リサイクリング・シティ外部リンク」が7日、首都ベルン近郊にオープンした。国内でリサイクルに出される段ボールは増加の一途をたどる一方、新聞紙は減少。インターネットの普及によりオンラインショッピングで買い物する人が増え、新聞を購読する人が減ったことが背景にある。
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約7500平方メートルの施設に1400基のソーラーパネルを設置。従業員数は約50人。この工場では古新聞や段ボールを選別、圧縮梱包して製紙会社に出荷する。処理能力は年間7万トン。運営会社のアルパベルン(本社・ベルン)はそのうち3割が段ボールと見込む。
同社のウルリッヒ・エッゲル氏は古紙リサイクルの現状について、スイス公共放送SRFの取材外部リンクに「オンラインショッピングの普及により梱包材が増えている。残念だが、古新聞が減ったのはインターネットの影響だ」と説明する。
スイス国内の古紙リサイクル事情
国内の紙と段ボールの消費量は近年、減少傾向にある。2012年、国民一人が年間に消費した材木の量は204キログラムだったが、16年は188キログラムだった(国全体では約160万トン)。
16年に国内でリサイクル処理された紙と段ボールは約130万トン(一人当たり152キログラム)。スイスでは古紙回収の日が月に数回あり、新聞や雑誌、段ボールなどをまとめて自宅の前などに出す。収集ボックスを設置している地域もある。学校やボーイスカウトなども古紙回収活動をしている。
スイスでは、紙需要の半分以上を再生紙でカバーできる。
(英語からの翻訳・宇田薫)
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