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日本の藤本建築事務所、ザンクト・ガレン大の新校舎を建築へ

ザンクト・ガレン大学ラーニングセンターの完成イメージ
藤本壮介建築設計事務所がデザインしたザンクト・ガレン大学の新校舎「Open Grid―Choices of Tomorrow」の完成イメージ。自然との調和や大学の歴史にも配慮した Sou Fujimoto Architects

日本の建築事務所、藤本壮介建築設計事務所外部リンク(東京都・新宿)がスイスのザンクト・ガレン大学(HSG)に建築予定の新校舎を手がけることが決まった。

 ザンクト・ガレン大学が21日、新設予定の「HSGラーニング・センター」の設計者を選ぶコンペで、藤本壮介事務所が優勝したと発表した外部リンク。ラーニング・センターはデジタル化や新しい勉強手法に対応した校舎として、街の中心部に近いローゼンベルクに2022年の開校を目指す。17年9月に始まったコンペには、国内外から8社の建築事務所が参加した。選考では構造や都市計画、コンセプトの革新性、機能性、持続性と経済性が評価基準となった。

 藤本事務所が提案したプロジェクトは「オープン・グリッド―明日の選択(Open Grid-Choices of Tomorrow)」と題し、建築面積は7千平方メートル。複数の立方体を格子に組み込んだ階段状の外観で、最高層の高さは18.5メートルながら周辺住宅の日照に配慮した。屋上テラスを緑化し、ローゼンベルクの自然にもなじむようにした。同校はプレスリリースで「将来、空間の使い方を自在に変更できる構造になっており、修学上のニーズに適合している」と評価し、「配置や階段状の構造は、HSGのキャンパスの歴史とも折り合いがついている」と選定理由を挙げた。

 藤本氏は受賞を受けて、スイスインフォの取材に「スイスの美しい街ザンクト・ガレンにて、今回のプロジェクトの設計者に選ばれたことを大変光栄に思います。今までにない新しい学びの場を構想するというとても(壮大な)ビジョンに溢れるものであり、僕たちの提案はその期待に応えられたと思います。周辺環境や大学キャンパスのコンテクストにしっかりと配慮したものとなっており、この地に新しくも調和のとれた建物を作り出すことを意図しています」とコメントした。

 ザンクト・ガレン大学は商業単科大学として1898年に設立された。5学部があり経営学部はスイス最大規模。29の研究機関と提携している。ザンクト・ガレン市は人口8万人で、若年層の人口比率がスイスで最も高い。スイス・アルプスとボーデン湖の間に位置し、同大キャンパスからも街並を一望できる。

藤本壮介氏プロフィール

1971年北海道生まれ。東京大学工学部建築学科を卒業し、00年に藤本壮介建築設計事務所を設立。16年にパリ事務所を開設し、欧州でも活躍している。

フランス・モンペリエ国際設計競技で最優秀賞(14年)、 パリ・サクレー・エコール・ポリテクニーク・ラーニングセンター国際設計競技で最優秀賞(15年)、Réinventer Paris 国際設計競技ポルトマイヨ・パーシング地区で最優秀賞を受賞(16年)。

主な作品にロンドンのサーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013(13年)、House NA(11年)、武蔵野美術大学美術館・図書館 (10年)、House N(08年)などがある。

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