米中貿易戦争が世界経済見通しに暗い影を落としている
Copyright 2018 The Associated Press. All rights reserved.
国際通貨基金(IMF)は9日に発表した世界経済見通しで、スイスの2018年の経済成長率予測をこれまでの2.3%から3%に引き上げた。
このコンテンツが公開されたのは、
2018年、2019年の世界全体の実質経済成長率は、7月時点の予想から0.2ポイント引き下げいずれも3.7%と予測。米国が絡む貿易戦争の継続的な脅威、合意なしの英国のEU離脱(ブレグジット)の可能性に加え、欧州連合の成長の遅れ、一部の新興経済国のボラリティ(金融商品価格の予想変動率)が要因という。
一方、IMFはスイスの経済状況について、比較的安定しており企業間の取引条件が改善されているとした。スイス連邦政府は9月、2018年の国内総生産(GDP)予測を2.4%から2.9%に引き上げた。スイス経済研究所(KOF)もスイスの経済見通しについては好感している。
しかしスイスが欧州連合(EU)の二国間関係において慎重な姿勢であること、また他国が絡む国際的なリスク要因が懸念材料とされている。
IMFは来年のスイス国内の経済成長について、世界のGDP成長率の下落に伴い失速する可能性があるとも指摘した。IMFは2019年の世界のGDP成長率を2%から1.8%、2023年までに1.7%に落ち込むと予測した。
おすすめの記事
スイス、シェンゲン域外の訪問者のデータを収集へ
このコンテンツが公開されたのは、
シェンゲン協定域外の旅行者のデータは、スイスを含む加盟国の国境で今後、自動的に記録される。
もっと読む スイス、シェンゲン域外の訪問者のデータを収集へ
おすすめの記事
スイス議会、新聞配達費用の補助金を引き上げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)の委員会は4日、新聞の配達費用の補助金を引き上げる内容の郵便法改正案を提出した。
もっと読む スイス議会、新聞配達費用の補助金を引き上げ
おすすめの記事
賃金分析「罰則・対象拡大が必要」 スイス労働団体
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの労働組合など52団体が3日、政府に男女賃金差別を撤廃するための法制強化を求める公開書簡を発表した。
もっと読む 賃金分析「罰則・対象拡大が必要」 スイス労働団体
おすすめの記事
スイス中銀、807億フランの黒字 2024年決算
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が3日発表した2024年度決算確報は、807億フラン(約13.5兆円)の黒字だった。速報時点の見込み通り、連邦政府・州に30億フランを配当する。
もっと読む スイス中銀、807億フランの黒字 2024年決算
おすすめの記事
スイス中銀総裁、ビットコインの準備金化に反対
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中央銀行、SNB)のマルティン・シュレーゲル総裁はスイス紙のインタビューで、中銀の準備金にビットコインを追加する国民投票案に反対する考えを示した。暗号資産(仮想通貨)は資産として多くの問題を抱えていると指摘した。
もっと読む スイス中銀総裁、ビットコインの準備金化に反対
おすすめの記事
スイス、米国の死刑推進に「深い懸念」表明 人権理事会で
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は3日の国連人権理事会(HRC、本部・ジュネーブ)で、ドナルド・トランプ米大統領が連邦・州レベルの死刑制度を強化する大統領令に署名したことを「深く懸念している」と表明した。
もっと読む スイス、米国の死刑推進に「深い懸念」表明 人権理事会で
おすすめの記事
スイス連邦工科大、鉄道橋の構造安全性を評価するAIツールを開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は24日、鉄道橋の構造安定性を評価する人工知能(AI)ツールを開発したと発表した。
もっと読む スイス連邦工科大、鉄道橋の構造安全性を評価するAIツールを開発
おすすめの記事
スイス株式相場、初めて1万3000の大台に
このコンテンツが公開されたのは、
スイス株式市場で24日、代表指標のSMIが一時1万3000の大台を超え、史上最高値を記録した。前日のドイツ連邦議会選挙で保守派が勝利したことを受け、安心感が広がった。
もっと読む スイス株式相場、初めて1万3000の大台に
おすすめの記事
ゼンティス山の山岳ケーブルカー、改修工事へ
このコンテンツが公開されたのは、
東スイスの有名観光地ゼンティス山の山岳ケーブルカー「Säntisbahn」運営会社は24日、強風に対する安定性向上を目的にケーブルカー施設の全面改修工事に着手すると発表した。
もっと読む ゼンティス山の山岳ケーブルカー、改修工事へ
おすすめの記事
スイス、PFASの規制強化を検討
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は「永遠の化学物質」の異名を持つ有機フッ素化合物(PFAS)の規制強化に着手した。飲み水の上限値は来年から引き下げられる。
もっと読む スイス、PFASの規制強化を検討
続きを読む
おすすめの記事
外交干渉、相次ぐ買収 中国との付き合い方を模索するスイス
このコンテンツが公開されたのは、
中国の台頭で世界各国に変化が起きている。それは小さな友好国スイスも例外ではない。中国から干渉されていると感じるスイスの政治家は多く、スイス企業は次々と中国資本に買収されている。スイス国内では連邦政府が妥協ばかりしているとの批判が高まっている。
もっと読む 外交干渉、相次ぐ買収 中国との付き合い方を模索するスイス
おすすめの記事
スイス、EUの鉄鋼輸入関税に抗議
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは、欧州連合(EU)が米国との貿易戦争の一環で課した鉄鋼関税をめぐり、欧州委員会と「建設的」に協議していると明らかにした。
もっと読む スイス、EUの鉄鋼輸入関税に抗議
おすすめの記事
スイス経済相、中国の買収規制は「不公平」と批判
このコンテンツが公開されたのは、
5~9日に訪中したヨハン・シュナイダー・アマン経済相は、中国がスイスの企業を買収できるのにその逆ができない現状は不公平だと指摘した。
もっと読む スイス経済相、中国の買収規制は「不公平」と批判
おすすめの記事
スイスとEUの二国間枠組み交渉「合意の確率は五分五分」
このコンテンツが公開されたのは、
スイス経済専門の弁護士ジーン・ルソット氏は、年末にかけて行われるスイスと欧州連合(EU)の二国間枠組み条約が合意に至る確率は五分五分と見る。現在保留中のこの争点が解決すれば、スイスと欧州の株式市場の「対等性」といった厄介な対立も同時に収まるかもしれない。
もっと読む スイスとEUの二国間枠組み交渉「合意の確率は五分五分」
オピニオン
おすすめの記事
なぜWTOが必要なのか
このコンテンツが公開されたのは、
世界貿易が危機に瀕している。現状を「貿易戦争」と呼ぼうが呼ぶまいが、間違いなく火ぶたは切って落とされた。世界貿易機関(WTO)の関与だけでなく、行動が求められている。
もっと読む なぜWTOが必要なのか
おすすめの記事
欧州最大の投資国はスイス
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは10年前に比べ投資額を増やした数少ない欧州諸国の一つだ。フラン高でとりわけ工業部門に深刻な影響をもたらしながらも投資額を増やし、2008年の金融危機からの回復を大きく後押しした。
もっと読む 欧州最大の投資国はスイス
おすすめの記事
貿易戦争 トランプ戦術は「短期的な政治ギャンブル」
このコンテンツが公開されたのは、
ドナルド・トランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムの追加関税導入を表明して以来、貿易戦争への緊張感は日増しに高まっている。スイスのジュネーブ国際開発高等研究所で通商政策を専門とするセドリック・デュポン教授は、長期的には米国にとって悪いニュースになると指摘する。
もっと読む 貿易戦争 トランプ戦術は「短期的な政治ギャンブル」
おすすめの記事
グローバル化の恩恵が最も大きかった国はスイス
このコンテンツが公開されたのは、
1990年代以降のグローバル化により、スイスが世界で最も大きな利益を得たことがドイツの民間機関の調査で明らかになった。日本は2番目に大きく、成長率著しい中国やインドではグローバル化の恩恵は小さかった。
もっと読む グローバル化の恩恵が最も大きかった国はスイス
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。