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スイスの銀行業界、顧客へのマイナス金利撤廃相次ぐ

Julius Bär bank
Julius Bär has been charging negative interest on Swiss franc, euro and Danish krona deposits. Keystone / Ennio Leanza

資産管理を手がけるスイスのジュリアス・ベアは、中央銀行のマイナス金利のコストを顧客に転嫁するのを止める。

8月1日からフラン、ユーロ、デンマーククローネ建て資産にかかる手数料を廃止する。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が先月16日にマイナス金利を縮小し、21日には欧州中央銀行(ECB)がマイナス金利の解除を決めたことを受けた決定だ。

日銀を除き世界の主要中銀がインフレ退治のために金融政策を転換し、利上げに踏み切っている。

スイスの政策金利はマイナス0.25%とまだマイナス圏だが、一部の銀行は富裕層や企業向け口座に課していた手数料の廃止に動き始めている。

スイス第2の銀行クレディ・スイスは、個人口座へのマイナス金利を7月1日に廃止した。

SNBがマイナス金利を導入した2015年以来、スイスの大手銀行や資産管理業者はSNBに預けた当座預金に対して累計110億フラン(約1兆5千億円)の金利を収めている。

クレディ・スイスやジュリアス・ベアのほか、一部の小銀行も顧客に課す手数料を撤廃・縮小している。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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