「エメンタール」という名称は欧州連合(EU)では商標の保護を受けないとする判決が下った
© Keystone / Gaetan Bally
穴の開いた形状が特徴的なエメンタールチーズ。スイスを代表するチーズだが、その製造業者は欧州連合(EU)内で「エメンタール」という商標を独占的に使用できない、とする判決が下った。
このコンテンツが公開されたのは、
2023/05/26 09:49
欧州連合司法裁判所(CJEU)は24日、「エメンタール」という名称はドイツ語圏の一般人にとってはチーズの種類を説明するにすぎず、チーズの地理的原産地を示すものではない 、との判決を下した。
この判決により、「エメンタール」という名称は商標としてEU内で保護を受けることができなくなった。スイスのチーズ製造業者にとっては大きな打撃だ。
昨年には米国で、エメンタールと並ぶ代表的なチーズであるグリュイエールについて、「グリュイエール」という名のチーズはスイス地域産である必要はないという判決 が出ている。
チーズ製造者団体エメンタール・スイスは、スイス国外で生産されるエメンタールチーズには非スイス産であることを明確に表示するべきだとCJEUに主張したが、受け入れられなかった。
CJEUの判決に対しては、欧州の最高裁判所である欧州司法裁判所(ECJ)に上訴できる。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/15
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/14
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/10
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/09
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/08
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
おすすめの記事
スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/08
スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。
もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/03
ユングフラウ鉄道グループは、ユングフラウヨッホの2024年の来場者が105万8600人となり、2015年以来6度目の100万人の大台を超えたと発表した。
もっと読む ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
おすすめの記事
2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/03
スイスは2024年の企業倒産件数が過去最高を記録した。
もっと読む 2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
おすすめの記事
国民投票に向けた署名がまたも偽造
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/31
医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。
もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
おすすめの記事
スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/30
1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。
もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
続きを読む
次
前
おすすめの記事
マッターホルンを失っても平気なトブラローネ
このコンテンツが公開されたのは、
2023/03/17
米国の菓子・スナック企業モンデリーズ・インターナショナルが、山型チョコレート「トブラローネ」のシンボルマークであるマッターホルンを「モダンな流線型の山のロゴ」に変更すると発表した。
もっと読む マッターホルンを失っても平気なトブラローネ
おすすめの記事
ヘルプマークはスイス国旗の誤用?
このコンテンツが公開されたのは、
2022/10/28
日本では駅や電車の中などで赤地に白十字と白いハートをあしらったマークを目にする。その意味するところは「I love Switzerland(スイス大好き)」ではなく「あなたの支援を必要としています」。スイス国旗の誤用にもみえるが、スイスとしては口を挟むことができない。
もっと読む ヘルプマークはスイス国旗の誤用?
おすすめの記事
「グリュイエール」は普通名称 地元スイスへの影響は
このコンテンツが公開されたのは、
2023/06/04
米国の連邦控訴裁判所が、「グリュイエール」をチーズの一種の普通名称とした一審判決を支持した。スイス西部グリュイエール地方産のチーズでなくてもこの名前で販売できるようになる。スイス、フランスの製造者たちは他国へ影響が広がることを懸念する。
もっと読む 「グリュイエール」は普通名称 地元スイスへの影響は
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。