スイスの視点を10言語で

スイスの「エメンタール」チーズ、EUでは商標保護されず

エメンタールチーズ
「エメンタール」という名称は欧州連合(EU)では商標の保護を受けないとする判決が下った © Keystone / Gaetan Bally

穴の開いた形状が特徴的なエメンタールチーズ。スイスを代表するチーズだが、その製造業者は欧州連合(EU)内で「エメンタール」という商標を独占的に使用できない、とする判決が下った。

欧州連合司法裁判所(CJEU)は24日、「エメンタール」という名称はドイツ語圏の一般人にとってはチーズの種類を説明するにすぎず、チーズの地理的原産地を示すものではない 、との判決を下した。

この判決により、「エメンタール」という名称は商標としてEU内で保護を受けることができなくなった。スイスのチーズ製造業者にとっては大きな打撃だ。

昨年には米国で、エメンタールと並ぶ代表的なチーズであるグリュイエールについて、「グリュイエール」という名のチーズはスイス地域産である必要はないという判決が出ている。

チーズ製造者団体エメンタール・スイスは、スイス国外で生産されるエメンタールチーズには非スイス産であることを明確に表示するべきだとCJEUに主張したが、受け入れられなかった。

CJEUの判決に対しては、欧州の最高裁判所である欧州司法裁判所(ECJ)に上訴できる。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子


人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

茶色い除湿器

おすすめの記事

ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。

もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む
ベルジエ報告

おすすめの記事

「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱

このコンテンツが公開されたのは、 スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。

もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
整備中の飛行機

おすすめの記事

スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠

このコンテンツが公開されたのは、 スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。

もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
署名の入った箱

おすすめの記事

国民投票に向けた署名がまたも偽造

このコンテンツが公開されたのは、 医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。

もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
エリック・ヘンニさん

おすすめの記事

スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

このコンテンツが公開されたのは、 1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。

もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部