物価の高いスイス 節約術教えます
スイスは物価が高い。それは周知の事実だ。でも、バーゲンなどを利用すればお得に買い物ができる。スイスで出費を抑えるにはどうしたらいい?スイスインフォが読者から寄せられた、とっておきのヒントを紹介する。
スイスインフォではこれまで、スイスの物価の高さをテーマにした記事をたくさん配信してきた。「スイスとフランスのスーパーで同じものを買うと値段がこんなに違う」という記事もその一つだ。
しかしここで疑問が浮かんだ。スイスで安いものってあるのだろうか?答えを探すため、スイスインフォは英語編集部のフェイスブックページ読者に節約術を尋ねた。スイスインフォの記者のアイデアも一緒に紹介する。旅行者、在住者問わず使える情報を集めた。
旅行
公共交通機関の運賃は、特に車移動に慣れた人にはびっくりするような値段だろう。読者のシェーヴィンさんがお勧めするのは定額で国内の電車・バス・フェリーが一部区間を除いて乗り放題になる「スイストラベルパス外部リンク」だ。
スイスの列車には1等車、2等車がある。車体側面に「1」「2」と数字が大きく書かれているので旅行者にも分かりやすい。スイストラベルパスは3、4、8、15日券があり、2等車だと225~485フラン(約2万5千円~約5万3300円)、1等車だと358~765フランだ。旅行者にとって助かるのは、電車に乗るたびにどのチケットを買えばいいのかいちいち悩む必要がないことだろう。
スイス連邦鉄道(SBB/CFF/FFS)はスイストラベルパスのほかにも、特定の路線限定の割引チケット「Supersaver外部リンク」、観光施設までの運賃と入場料の割引が受けられる「RailAway外部リンク」チケットを販売している。
あちこち飛び回るよりもホテル周辺で観光したいという人には、ミゲルさんが市内交通と観光施設の割引がセットになった「シティーカード」を勧めてくれた。
バーゼル、ベルン、ジュネーブ、インターラーケン、ルツェルン、モントルー、ザンクト・ガレン、ティチーノの各地域は、地元の交通機関が乗り放題になり、博物館など観光スポットの割引も付くカードを販売している。その一つ、チューリヒカードは1日券が27フラン、3日券が53フランだ。
スイスの一部地域では通勤支援の一環で自転車の格安・無料レンタルを行っている。その一つ「SchweizRollt外部リンク」はフランス語圏に多いが、チューリヒにも支店がある。
アクティビティ
水遊び:多くの自治体が、夏に涼めるスポットを無料、格安で開放している。ベルンでは川沿いにあるマルツィリ外部リンク屋外プールやロレーネ外部リンク公共水泳場がおすすめ。この2カ所は入場無料でプール、トイレ、シャワーがある。ロッカーやパラソルは2~5フランで貸し出してくれる。食べ物の持ち込みもできるし、併設のレストランだってリーズナブルだ。
森林アスレチック(ヴィータ・パークール外部リンク):森林アスレチックなら、ジムの会員にならなくても体を動かすことができる。スイス国内には約500コースが整備され、各コースには体を鍛えるさまざまな運動器具がしつらえてある。しかも無料だ。
音楽フェス:3日間の屋外コンサートを10フラン、9日間を20フランで楽しめるとしたらどうだろう。それを叶えてくれるのがブスカース・ベルン・ストリート音楽祭外部リンク、ルツェルンのブルー・バールズ音楽フェス外部リンクだ。お金を払ったことを示すブレスレットやピンを身につけるだけでいい。モントルー・ジャズフェスティバル外部リンクも、屋外・屋内コンサートの多くが無料だ。
読書:図書館は一年中空いている。気が向いたときに立ち寄り、無料で好きな本を読める。英語の本を置いてあるところも多い。夏は、多くの図書館が公園にミニ図書館を開く。
一部の図書館では、いらなくなった本を利用者同士で交換するサービスを支援している。スイスの鉄道駅にある本屋「Press&Books外部リンク」にも同じようなスペースがある。
ドリンク・フード
ローカルフードを試すのは旅の醍醐味の一つ。でもそれが極端に高かったらどうすればいい?
スイスならディナーよりもリーズナブルなランチがお勧め。だいたいどこのレストランでもランチ用のセットメニューがある。平日正午なら、サラダにスープ、メインのコースが付く。
ベルンにあるミシュラン三つ星の「Meridiano」は、2コースランチが36フラン。3コースなら43フランだ。ちなみに夜の4コースディナーは120フランかかる。
何人かの読者は食費を安く抑える方法としてピクニックが良いと教えてくれた。ナタリーさんは、スイスの大手スーパーMigros外部リンクを勧める。
アイノンさんは、ピクニックはアウトドアを楽しむのにも最適だと話す。
ピクニックだって節約できる。しかも自然環境にもやさしい方法がある。例えばこの「Too Good To Go外部リンク」というアプリだ。登録しているレストランが、夕方やお客のピークが過ぎた後に売れ残った食べ物を格安で提供。パスタや寿司、マフィンと種類も豊富だ。
「ÄssBar外部リンク」(スイスドイツ語で食べ物のバーと言う意味)というお店なら、そういう商品をいつでも買える。ここは提携するカフェやパン屋で前日に売れ残ったサンドイッチ、サラダ、デザートなどを格安で販売。ドイツ語圏、フランス語圏に10店舗あり、イートインコーナーもある。
スイスのスーパーでは消費期限切れが近い食品を割引価格で提供している。閉店間際、特に土曜日(スイスのスーパーはたいてい日曜休み)が狙い目だ。
おかわり自由
のどが渇いたら、全国に散らばる噴水、そして衛生的な水道水を使わない手はない。マイボトルは必須だ。列車のトイレの洗面台などには「これは飲み水ではありません」という表示がちゃんとある。
レストランでは「お冷」は自動で出てこない。希望する場合は店員に伝えよう。有料のところもあるが、ミネラルウォーターよりは安い。
マイボトルを持っていない?それならバーゲンセールを狙ってみよう。1月と7月はあちこちでセールが行われる。家庭用品から家電、化粧品、洋服などあらゆるものがお得な価格で買える。
(英語からの翻訳・宇田薫)
JTI基準に準拠
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。