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スイス中銀も公定歩合引き上げか?

スイスの金利引き上げを待ちわびる声は大きい Keystone

スイスのエコノミストは、スイスでも間もなく金利の引き上げがあると予想する。スイス国立銀行 ( SNB/スイス中銀 ) は6月に公定歩合を0.25%引き上げるというのが大方の見方だ。

その礎石となったのが、4月7日にあった欧州中央銀行 ( ECB ) の利上げ発表だ。

懸念は強いスイスフラン

 スイス第2の大手銀行クレディ・スイス ( Credit Suisse ) でチーフエコノミストを務めるマルティン・ネフ氏は、長く続いた記録的な低金利の時代はそろそろ終わりを告げるとみる。6日にチューリヒで開かれた記者会見の際には、次のように述べた。

「スイス経済の強さに対し、現在の金利水準は明らかに低すぎる。そのため、スイス中銀は金利のねじを締めざるを得ない。スイスの現実経済は0.25%から0.5%の引き上げ幅なら楽に消化できるはずだ」

 スイス最大手銀行UBSのチーフエコノミストであるダニエル・カルト氏も

「利上げはもうとっくに行なわれていてよい。現在は国内経済が好調なのだから」

 と同調する。

「これに反し、輸出経済は金利が上昇すれば悪影響を受ける。スイスフランがさらに強くなるからだ。スイス中銀がこれまで利上げを躊躇 ( ちゅうちょ ) していたのはそのためだ」

 カルト氏はさらに次のように続ける。

「スイス中銀は欧州中央銀行の発表を受けて安堵したに違いない。1ユーロ1.30フランの壁を切らなければ、スイス中銀は6月に金利引き上げに踏み切るだろう」

 当のスイス中銀は、欧州中央銀行の利上げに対するコメントは発表していない。

輸出は好調

 一方、チューリヒ州立銀行 ( ZKB ) のアナリスト、クリスティアン・ブレンドリ氏は、輸出産業も利上げを消化できると強調する。

「スイスフラン高にもかかわらず、現在の業績は好調だ。フランがどうであれ、スイス産の高品質製品に対する需要は大きい」

 前出のクレディ・スイスのネフ氏は、日本の被災やアラブ圏の政変も世界経済に大きな影響を与えることはないと言う。

「これからまた何か大異変が起こることがあっても、ヨーロッパでは金利は引き上げられるべきだという基調が崩れることはない」

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