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スイス中銀、為替介入停止 1フラン=131円に

無制限為替介入の撤廃は「必然的だった」と、スイス中銀のトーマス・ジョルダン総裁 Keystone

スイス国立銀行(スイス中銀)は15日、対ユーロの上限1.20フランを即時撤廃し、マイナス金利を同時に拡大すると発表。これを受け、スイスフランはユーロに対し数時間のうちに値上がりし、同日13時半現在、1ユーロ=0.9フランに上昇。対円は1フラン=131円に急上昇した。

 スイス中銀外部リンクは、2011年から続けていた外国為替市場での無制限介入を撤廃した理由として、各主要通貨圏の金融政策が最近かなりばらついていること、また、ユーロは対米ドルで大幅に値を下げているために、フランもそれにつられて対米ドルで値が下がっていることを挙げている。

 対ユーロの上限撤廃と同時に、マイナス金利も拡大する。金融機関から徴収する手数料は、当初の年マイナス0.25%から年マイナス0.75%へと変更する。また、3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の政策金利の幅を、現行のマイナス0.75~プラス0.25%から、マイナス1.25~マイナス0.25%に引き下げる。

 スイス中銀は報道発表資料外部リンクで「対ユーロに上限を設定したのは、フランの価値が過剰に評価され、金融市場が不安定だった時期だった。この例外的かつ一時的な対策により、スイスの経済は深刻な被害を受けずに済んだ」と言及。「スイス経済はこの期間を利用して、新しい状況に適応する準備ができた」としている。

 スイス中銀の発表直後、ユーロは対フランで30%近く値下がりした。スイスの平均株価指数SMIも、6%以上下落した。

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 円相場も、発表前は1フラン=116円だったが、発表後は数時間以内に131円に値を下げた。

 スイス中銀は、今後の為替状況によっては再び積極的に介入する構えがあるとしている。

 英金融機関ジェフェリーズのジョナサン・ウェッブ氏は「スイス中銀は、欧州中央銀行(ECB)が来週にも量的金融緩和政策を開始すると見込んでいるのかもしれない。(25日には)ギリシャで総選挙も行われ、(結果次第では)対ユーロで上限を守ることが難しくなるとにらんでいるのだろう」と分析する。

 また「そのため、スイス中銀は無制限為替介入策をあきらめ、マイナス金利を拡大することにした。フランはすべての損切り注文が終了した後、1ユーロ=0.9~1.00フランに落ち着くだろう」と予測する。

 スイス時計大手スウォッチグループのニック・ハイエクCEOは、今回のスイス中銀の発表に「言葉を失った」と発言。スイスの輸出産業以外にも、観光業など国内の経済全体に「津波」が引き起こされるのではないかと危惧している。

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