スイスの観光スポットにある登山鉄道やロープウェイでは、運賃が上昇し続けている。過去8年間の値上げ率は最大で3割だ。スイス独語圏の日刊紙ターゲスアンツァイガー日曜版が報じた。
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同紙によると外部リンク、スイスの山岳交通事業者21社のうち、ルツェルン湖の南に位置するシュタンザーホルンの交通事業者をのぞく全社が、2015年以降に運賃の引き上げを行った。
過去8年間で運賃の値上げ率が最も高かったのは、マッターホルンなど4千メートル級の名峰と氷河が広がるゴルナーグラート展望台の31%で、次に東スイスで絶景パノラマが楽しめるゼンティス山(29%)と、世界遺産のベルニナ線の駅からわずか10分で到着できるディアヴォレッツァ展望台(29%)が続いた。
同紙によると、運賃改定が行われた理由の一つは、スイスハーフフェアカードや、トラベルパス(GA)の普及にある。カード・パス購入者は、スイスの主な鉄道、バス、湖船や主要都市の市内交通を割引価格もしくは無料で利用できる。
アッペンツェル地方で人気の観光地、ホーアーカステンで回転展望台レストランとケーブルカーを運営するマルティン・エブネター氏は同紙に対し「12年前は旅行者の45%がハーフフェアカードかトラベルパスのどちらかを持っていた。今年は70%だ」と明かし、過去8年間で21%も運賃の引き上げを行ったのは、必要に迫られてのことだったと説明した。
一方、ツェルマット山岳交通の広報担当マーク・ラーガー氏は「毎年施設が新しくなったり、新しいエリアがオープンしたりしていている。10年前、20年前と現在を直接比較することはできない」と話し、運賃の値上げは旅行者に提供できるサービスのアップグレードに応じたものだと説明した。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
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