2020年の個人消費は前年比3.7%減少。第二次世界大戦以来最大の落ち込み幅となった
© Keystone / Gaetan Bally
スイスの2020年の国内総生産(GDP)は前年比2.4%減だった。落ち込み幅は石油危機の影響が最も深刻だった1975年(マイナス6.7%)以来の大きさとなった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で外食・レジャーなどの個人消費やサービス輸出が大きく落ち込んだ。
このコンテンツが公開されたのは、
連邦統計局が26日発表したGDP速報値外部リンクによると、新型コロナ危機で内需と外需の両方が大きく落ち込んだ。個人消費は3.7%減と、第二次世界大戦以来最大の減少幅を記録した。レストランやホテル、運輸、衣料品、レジャー、文化など幅広い分野への支出が減った。食費への支出は大きく増え、医療もやや増えた。
サービスの輸出入も総じて減少し、特にインバウンド観光客の落ち込みで輸出が14.5%と激減した。
一方、公共支出は3.5%増えた。
2022年予算は6億フランの黒字に
連邦政府は同日、2022年予算案の詳細外部リンクを発表した。新型コロナ危機との戦いで20~21年は大型歳出予算となったが、22年は財政政策にとって「常態に戻る」予算となった。
一般会計の歳入は前年度比3.3%増の786億フラン(約9兆5千億円)を見込む。歳出は新型コロナ関連支出の減少で4.8%少ない780億フランとなる。政府はワクチンの購入などコロナ対策向けに9億2500フラン規模の特別会計予算を組む。
22年は6億フランの黒字となり、累積債務の削減に充てる。
おすすめの記事
スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、米国の追加関税について、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談した。
もっと読む スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談
おすすめの記事
【トランプ関税】スイス経済相が米通商代表と初協議
このコンテンツが公開されたのは、
米国の関税措置をめぐり、スイスのギー・パルムラン経済相は7日、米通商代表のジェミソン・グリア氏とビデオ会議による最初の協議を行った。
もっと読む 【トランプ関税】スイス経済相が米通商代表と初協議
おすすめの記事
スイス、トランプ関税に報復せず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は3日、ドナルド・トランプ政権が同日発表した関税に対し、当面は対抗措置を取らないと表明した。
もっと読む スイス、トランプ関税に報復せず
おすすめの記事
トランプ大統領、スイス製品に31%の関税
このコンテンツが公開されたのは、
ドナルド・トランプ米大統領は、スイスからの輸入品に31%の関税を課すと発表した。
もっと読む トランプ大統領、スイス製品に31%の関税
おすすめの記事
スイスにBYDが上陸 年内に15店舗
このコンテンツが公開されたのは、
中国のEVメーカー比亜迪(BYD)が正式にスイス市場に進出する。年内に全国で15店舗を出店する計画だ。
もっと読む スイスにBYDが上陸 年内に15店舗
おすすめの記事
スイス金融当局が組織再編 リスク管理部門を新設
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの金融市場監督機構(FINMA、日本の金融庁に相当)は1日、監督体制を強化するため組織を再編したと発表した。クレディ・スイス危機への反省から、立ち入り検査機能を増強する。
もっと読む スイス金融当局が組織再編 リスク管理部門を新設
おすすめの記事
スイスで凍結されたロシア資産、1.25兆円に 所有者の特定進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦経済管轄局(SECO)は1日、これまでに国内で凍結したロシア資産は74億フラン(約1兆2500億円)になったと発表した。資産の所有者の特定が進んだことで、昨年4月から1年で16億フラン増えた。
もっと読む スイスで凍結されたロシア資産、1.25兆円に 所有者の特定進む
おすすめの記事
スイス住民の12人に1人が貧困ラインを下回る
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局が31日発表した最新調査で、2023年のスイスの貧困率は前年比ほぼ横ばいの8.1%(約70万8000人)だったことが分かった。
もっと読む スイス住民の12人に1人が貧困ラインを下回る
おすすめの記事
ミャンマー地震、スイス開発援助団体が緊急支援
このコンテンツが公開されたのは、
ミャンマー中部を震源とする大地震の発生を受け、スイスの開発援助団体は29日、緊急救援物資などの供与を行うと発表した。
もっと読む ミャンマー地震、スイス開発援助団体が緊急支援
おすすめの記事
スイスで29日に部分日食
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは29日に部分日食が観測される見込み。午前11時20分頃に月が太陽の前に重なり始める。
もっと読む スイスで29日に部分日食
続きを読む
おすすめの記事
消えた外国人観光客、スイス観光業へのダメージ深刻
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの影響でスイスの観光業は悲鳴を上げている。今夏に向けて様々なアイデアで地元客の掘り起こしを図ってはいるが、国内客だけでは外国人観光客の穴埋めはできない見通しだ。平常に戻るまでには数年かかるとされる。
もっと読む 消えた外国人観光客、スイス観光業へのダメージ深刻
おすすめの記事
コロナ危機でスイスは戦後最悪の不況になるのか
このコンテンツが公開されたのは、
今年のスイス国内総生産(GDP)は少なくともマイナス6%に落ち込むと予想されている。新型コロナ第2波に見舞われれば、戦後最悪の不況に陥る可能性がある。
もっと読む コロナ危機でスイスは戦後最悪の不況になるのか
おすすめの記事
スイス、コロナでOECD平均を上回る財政措置
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は今月、新型コロナ危機を受けた異例の規模の緊急経済対策を承認した。650億フラン(約7兆2千億円)にのぼる経済対策は世界でも有数の規模だ。
もっと読む スイス、コロナでOECD平均を上回る財政措置
おすすめの記事
1930年代以降最悪の景気停滞か スイス中銀総裁
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスに伴う国内の経済損失は月110億~170億フラン(約1兆2100~1兆8700億円)で、回復には数年を要するー。スイス国立銀行(スイス中銀、SNB)のトーマス・ジョルダン総裁が日曜紙に国内経済の見通しを語った。総裁は1930年代以来最悪の不況になると予測している。
もっと読む 1930年代以降最悪の景気停滞か スイス中銀総裁
おすすめの記事
コロナ危機は債務ブレーキ制度改革の好機?
このコンテンツが公開されたのは、
国の債務残高の国際比較を見ると、スイスの債務額が圧倒的に低い。これは、債務ブレーキと呼ばれる制度を導入した賜物だ。新型コロナウイルスのパンデミックが渦巻く中、このメカニズムとスイス経済の先行きをめぐる議論が始まった。
もっと読む コロナ危機は債務ブレーキ制度改革の好機?
おすすめの記事
スイス7.3兆円のコロナ対策 財源はどこ?
このコンテンツが公開されたのは、
失業防止策、資金繰り難に陥った企業へのつなぎ融資、文化・スポーツ業界への助成、医療用マスクの購入――スイス政府が打ち出したコロナ経済対策の財源は、どこから出てくるのだろうか。
もっと読む スイス7.3兆円のコロナ対策 財源はどこ?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。