スイス連邦統計局によると、2022年のスイスの合計特殊出生率は1.39と、過去最低水準を記録した。パンデミックの影響が表れた他、子供を産まない選択をする人が増えている可能性が指摘される。
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合計特殊出生率は女性1人が生涯に産む子供の数を表す。スイスでは2010年以来、1.5前後で安定してきたが、2022年は前年の1.52から大きく低下外部リンク。欧州平均も下回った。
ローザンヌ大学の社会科学者ヴァレリー・アン・ライザー氏はフランス語圏のスイス公共放送(RTS)外部リンクで、新型コロナウイルス危機が一因となった可能性があると指摘した。「さまざまな準ロックダウン(都市封鎖)政策で人々の間に不安が生まれ、子供を減らす要因になったかもしれない」
他の欧州地域でも出生率は低下しており、特にパンデミックや高失業率、経済問題の深刻な南欧で著しい。
経済状態は良好なスイスに考えられるもう一つの原因として、ライザー氏は国の家族政策が柔軟性を欠くことを挙げた。「近年父親の育児休暇が導入されたが、欧州標準に照らすと短い。この意味で、スイス社会ではいまだに母親が子育ての責任を負うべしという考え方が強い」
ライザー氏は子供を産まないことを意図的に選択する人が増えており、出生率を押し下げている可能性も指摘した。「現在、夫婦が子供を持つことが何を意味するのか、また子供を持つことに伴う責任について多くの議論されている」
ただ1.39という出生率が「将来的な趨勢となるのか、それとも単に循環的なものなのか」を判断するのは難しいと語った。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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