スイスの2020年の成長率はこれまでの見通しを多少上回りそうだ
Keystone / Alessandro Crinari
スイス連邦経済省経済管轄局(SECO)は15日、2020年の国内総生産(GDP)伸び率はマイナス3.3%になるとの見通しを発表した。マイナス幅は1975年以来の大きさだ。
このコンテンツが公開されたのは、
SECO外部リンクは10~12月期のマイナス成長を見込むが、「スイス経済が実際に腰折れすることはない」と楽観視している。
「症例数の増加やコロナ対策により、2020~21年の冬シーズンは欧州を中心に世界的に経済成長が伸び悩む。だが全般的に、春ほどの厳しい封じ込め策はとられておらず、全体では経済的影響はそれほど深刻にならない可能性が高い」との見通しを示した。
2020年成長率見通しのマイナス幅は、10月時点(マイナス3.8%)に比べ引き上げた。年間平均失業率は3.2%と、約20年ぶりの低水準だった2019年(2.3%)から急上昇すると見込む。
一方、2021年の成長率見通しはプラス3.0%と、10月時点のプラス3.8%から引き下げた。コロナ禍や感染対策が年初の経済に打撃を与えるとみる。
来年の見通しはコロナの予防接種が広く出回り、経済活動が21年春から徐々に正常化することを前提にしている。SECOは「この前提で一時的に平均を上回るGDP伸び率が見込まれる。停滞していた消費支出や投資が復活し、世界経済の回復とともに主に財の輸出が大幅に増える」とみる。
2021年の失業率予測は3.3%。
おすすめの記事
スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、米国の追加関税について、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談した。
もっと読む スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談
おすすめの記事
【トランプ関税】スイス経済相が米通商代表と初協議
このコンテンツが公開されたのは、
米国の関税措置をめぐり、スイスのギー・パルムラン経済相は7日、米通商代表のジェミソン・グリア氏とビデオ会議による最初の協議を行った。
もっと読む 【トランプ関税】スイス経済相が米通商代表と初協議
おすすめの記事
スイス、トランプ関税に報復せず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は3日、ドナルド・トランプ政権が同日発表した関税に対し、当面は対抗措置を取らないと表明した。
もっと読む スイス、トランプ関税に報復せず
おすすめの記事
トランプ大統領、スイス製品に31%の関税
このコンテンツが公開されたのは、
ドナルド・トランプ米大統領は、スイスからの輸入品に31%の関税を課すと発表した。
もっと読む トランプ大統領、スイス製品に31%の関税
おすすめの記事
スイスにBYDが上陸 年内に15店舗
このコンテンツが公開されたのは、
中国のEVメーカー比亜迪(BYD)が正式にスイス市場に進出する。年内に全国で15店舗を出店する計画だ。
もっと読む スイスにBYDが上陸 年内に15店舗
おすすめの記事
スイス金融当局が組織再編 リスク管理部門を新設
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの金融市場監督機構(FINMA、日本の金融庁に相当)は1日、監督体制を強化するため組織を再編したと発表した。クレディ・スイス危機への反省から、立ち入り検査機能を増強する。
もっと読む スイス金融当局が組織再編 リスク管理部門を新設
おすすめの記事
スイスで凍結されたロシア資産、1.25兆円に 所有者の特定進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦経済管轄局(SECO)は1日、これまでに国内で凍結したロシア資産は74億フラン(約1兆2500億円)になったと発表した。資産の所有者の特定が進んだことで、昨年4月から1年で16億フラン増えた。
もっと読む スイスで凍結されたロシア資産、1.25兆円に 所有者の特定進む
おすすめの記事
スイス住民の12人に1人が貧困ラインを下回る
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局が31日発表した最新調査で、2023年のスイスの貧困率は前年比ほぼ横ばいの8.1%(約70万8000人)だったことが分かった。
もっと読む スイス住民の12人に1人が貧困ラインを下回る
おすすめの記事
ミャンマー地震、スイス開発援助団体が緊急支援
このコンテンツが公開されたのは、
ミャンマー中部を震源とする大地震の発生を受け、スイスの開発援助団体は29日、緊急救援物資などの供与を行うと発表した。
もっと読む ミャンマー地震、スイス開発援助団体が緊急支援
おすすめの記事
スイスで29日に部分日食
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは29日に部分日食が観測される見込み。午前11時20分頃に月が太陽の前に重なり始める。
もっと読む スイスで29日に部分日食
続きを読む
おすすめの記事
コロナ危機でスイスは戦後最悪の不況になるのか
このコンテンツが公開されたのは、
今年のスイス国内総生産(GDP)は少なくともマイナス6%に落ち込むと予想されている。新型コロナ第2波に見舞われれば、戦後最悪の不況に陥る可能性がある。
もっと読む コロナ危機でスイスは戦後最悪の不況になるのか
おすすめの記事
ゆとり財政スイス それでも蔵番がどケチなワケは?
このコンテンツが公開されたのは、
大幅な赤字財政からいつまでも抜け出せない国が多い中、スイスの2018年の黒字は推計25億フラン(約2850億円)、19年も10億フランを上回る黒字が見込まれている。ローザンヌ大学の経済学教授はそんなスイスを「ただ運がよいだけではない。出された宿題もきちんとやっている」と評価する。
もっと読む ゆとり財政スイス それでも蔵番がどケチなワケは?
おすすめの記事
1930年代以降最悪の景気停滞か スイス中銀総裁
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスに伴う国内の経済損失は月110億~170億フラン(約1兆2100~1兆8700億円)で、回復には数年を要するー。スイス国立銀行(スイス中銀、SNB)のトーマス・ジョルダン総裁が日曜紙に国内経済の見通しを語った。総裁は1930年代以来最悪の不況になると予測している。
もっと読む 1930年代以降最悪の景気停滞か スイス中銀総裁
おすすめの記事
消えた外国人観光客、スイス観光業へのダメージ深刻
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの影響でスイスの観光業は悲鳴を上げている。今夏に向けて様々なアイデアで地元客の掘り起こしを図ってはいるが、国内客だけでは外国人観光客の穴埋めはできない見通しだ。平常に戻るまでには数年かかるとされる。
もっと読む 消えた外国人観光客、スイス観光業へのダメージ深刻
おすすめの記事
スイス、コロナでOECD平均を上回る財政措置
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は今月、新型コロナ危機を受けた異例の規模の緊急経済対策を承認した。650億フラン(約7兆2千億円)にのぼる経済対策は世界でも有数の規模だ。
もっと読む スイス、コロナでOECD平均を上回る財政措置
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。