ソーラー・インパルス2、ハワイへの出発を延期
県営名古屋空港で待機中のスイスの電動飛行機ソーラー・インパルス2は、日本時間の24日午前4時、日本からの離陸を断念した。理由は、予定の航空路に雲がかかり、その雲が日本側に向かって急速に広がってきていたからだという。
すべての準備が整っていた。出発を中継するライブの映像によると、24日午前2時ごろコックピットに入った操縦士のアンドレ・ボルシュベルクさんは目をつぶって休憩を取り、その飛行機を5、6人のスタッフが滑走路まで押していった。
モナコの司令室は、出発の高揚感に包まれており、広報担当官のコナー・レノンさんは日本語で「温かく受け入れてくださった日本の皆様に心から感謝する。さよならを言うときがきた」と挨拶した。
その後すぐ、司令室の様子が変わった。もう一人の操縦士で今回の冒険の発案者、ベルトラン・ピカールさんが緊張した面持ちで数人と議論を始めた。そして、「天候のせいですぐにゴーサインが出せなくなった。30分間議論する」というコメントが発表された。
出発の決定プロセスの見直し
結局、出発予定から1時間半過ぎた日本時間の午前4時、24日朝の出発は断念すると発表された。
その後、ピカールさんはその落胆と落胆からくるある種の怒りに顔を紅潮させ、「ライブなのですべて正直に話すしかない。実は、太平洋の天候は非常に変わりやすく、気象の専門家が出発直前になって雲が多い事実を確認した。その雲が西に向かって伸びている。危険を冒すわけにはいかない。今後は、出発の決定プロセスそのものを見直す必要がある。そうしないとまた同じことになる」と語った。
名古屋の空港で準備万端だったボルシュベルクさんは、コックピットからゆっくりと降りてきた。そばにいた日本人の技師にその事実を伝えた瞬間、その技師が「残念 !」という風に自分の頭に手をやった。そして、この元スイス軍パイロットは、「この落胆を消化するには時間がかかる。しかしモナコの判断に信頼を置いている。仕方がない。また、こうした落胆も、われわれが挑む冒険の一部だ」と話した。
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