チューリヒ市が過去の奴隷貿易で利益を得ていたという研究結果を、チューリヒ大が発表外部リンクした。市当局が英国の奴隷貿易商社に投資していたほか、著名な実業家一族、繊維産業も奴隷貿易で恩恵を得ていたという。
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チューリヒ市はこれを受け、市内にある偉人の銅像について、歴史的に清廉な人物であるかどうかを調べる。またこうした歴史の汚点を可視化することも検討している。
チューリヒ大学の研究は、主に18世紀におけるスイスの都市と奴隷制度をめぐる投資、(奴隷などの)直接保有、貿易上の関係を調べた。
研究によると、チューリヒ市は当時、英・南海会社の株式を購入していた。この投資期間で同社は3万6千人のアフリカ人を奴隷にしたと言われている。スイスの首都ベルン市も、18世紀に同様の投資を行っていた。
スイスは植民地を持たなかったが、ほかの宗主国の奴隷貿易に便乗し、間接的に利益を得ていたと言われている。
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またデンマーク国債も購入しており、これがデンマーク領アンティル諸島での奴隷事業の資金調達に貢献している。
チューリヒで最も有名な実業家の一族、エッシャー家も奴隷貿易に直接関係していた。最も有名な子孫アルフレート・エッシャーが関与したという証拠はないが、一族の他のメンバーはキューバでコーヒーのプランテーションを経営。約90人の奴隷を保有していた。
研究によると、チューリヒと奴隷制度のつながりはほかにもある。
チューリヒを拠点とする複数の繊維工場は、奴隷と物々交換するための商品を生産していた。その中でも重宝された綿花供給業者は、オスマン帝国から米国に拠点を移した。米国は、作物の収穫に大体的に奴隷を使っていた国だ。
チューリヒ市のコリーネ・マウフ市長は「チューリヒ市の植民地時代の過去に目をつぶってはならない。市は現在、いかにして公共の場で、現代的な方法でこのテーマを可視化し、記憶に残るものにできるかを検討したい」と述べた。
検討結果は2023年に公表する予定。
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