芸術監督と最高経営責任者を兼任するシェリー・パワー氏
Melissa Fitzgerald
若手ダンサーの登竜門として世界的に有名なローザンヌ国際バレエコンクールの芸術監督で最高経営責任者のシェリー・パワー氏が、家庭の事情により、来年2月第46回目のコンクール開催終了をもって辞任する。20日、同コンクール実行委員会会長が発表した。
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横浜市出身。1999年からスイス在住。ジュネーブの大学院で国際関係論の修士号を取得。2001年から2016年まで、国連欧州本部にある朝日新聞ジュネーブ支局で、国際機関やスイスのニュースを担当。2016年からswissinfo.chの日本語編集部編集長。
パワー氏は昨年9月、ディレクターに就任。来年1月28日から開催される第46回コンクールの選考方法を改定し、参加資格の下限を従来の15歳から14歳6カ月に引き下げ、さらに若いダンサーの参加を可能にした。また、課題演目には新しいバリエーションを導入した。
最近では中国の遼寧バレエ団外部リンクや遼寧バレエ学校外部リンクを同コンクールのパートナーにするなど、アジアのバレエスクールとの関係強化に力を注いでいた。
パワー氏は辞任後、米ペンシルバニア州のフィラデルフィア・バレエ団の最高責任者となる予定だ。
一方、キャサリン・ブラッドニー氏が、次回のコンクールでは監督補佐として参画し、パワー氏の離任後は暫定的に芸術監督と最高責任者を務める。ブラッドニー氏は、ベジャールバレエ団の元プリンシパルで、夫のイゴール・ピオヴァノ氏と共にローザンヌ市内に創立したIgokatダンスアカデミー外部リンクのディレクター。近年はスイスで振付家として活躍し、過去10年間はローザンヌ国際バレエコンクールで審査員を務めた。
広報担当によると、パワー氏の後任が任命されるまでブラッドニー氏が監督代理を務めるが、現時点ではパワー氏の後任の候補者はいないという。
ローザンヌ国際バレエコンクール外部リンク
正式名称はPrix de Lausanne(プリ・ド・ローザンヌ)。スイス西部のヴォー州ローザンヌで1973年から開催されている。14歳6カ月~19歳未満の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクールの1つで、若いダンサーの登竜門とも言われる。
来年は、2018年1月28日から2月4日まで開催され、決勝は3日に行われる。予選を通過した78人が参加し、日本からは10人が出場する。入賞者は、希望するバレエ学校かバレエ団で1年間研修でき、奨学金が与えられる。
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