FIFA新会長、放映権をめぐる収賄に関与か
国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティノ新会長が数年前にサインした契約が収賄にあたるとの疑惑が浮上している件に関し、会長は5日、「身の潔白が疑われていることに困惑している」とFIFAを通して述べた。
複数の報道機関によると、インファンティノ氏はアルゼンチンのビジネスマン2人とある契約を交わし、その2人は後に米国で起訴された。
また、当時、欧州連盟(UEFA)の役員だったインファンティノ氏は、南米での欧州チャンピオンズリーグの放映権をめぐる契約をその2人と結んでいた。
今回の報道のもととなった文書は、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した約1100万点の文書(通称「パナマ文書」)に含まれている。
インファンティノ氏は、自身もUEFAも潔白だと主張している。
2010年12月2日
サッカーワールドカップ(W杯)の開催地が2018年はロシアに、22年はカタールに決定される。FIFAの腐敗をめぐる批判の声が高まる。
2014年12月17日
W杯の18年、22年の開催地選考をめぐる不正疑惑の調査をしていた元米国人弁護士マイケル・ガルシア氏が、調査が不当に扱われたとしてFIFA倫理委員会を辞任。
2015年5月27日
FIFAの総会が開かれていたチューリヒのホテルに早朝、スイス司法当局が強制捜査に入り、FIFA幹部7人が収賄の容疑で逮捕された。米司法省も収賄事件を捜査すると発表。
2015年6月2日
ゼップ・ブラッター氏が会長に再選し5期目へ続投することが決まると、同氏への批判が強まった。そのため、同氏は再選から数日後、2016年2月に後任が選ばれたら辞職すると発表。
2015年12月21日
ブラッター氏と、同氏の後任として有力視されていたミシェル・プラティニUEFA会長が、8年間の資格停止処分を受けた。理由は、ブラッター氏が2011年、プラティニ氏にFIFAから200万フラン(約2億円)を不正支出することを認めた疑いが浮上したため。後日、資格停止処分の期間が6年に短縮された。
2016年2月26日
FIFAの新会長に選ばれたUEFAのジャンニ・インファンティノ事務局長は「FIFAのイメージと名誉を復活させる」と約束。ブラッター氏(在任期間1998年~2015年)とエルンスト・トメン氏(1961年に6カ月間暫定会長)に次ぎ、スイス人として3人目の会長になった。
2016年4月4日
インファンティノ氏はUEFAに在任中、欧州チャンピオンズリーグの放映権に関する契約を2006年にオフショア企業と結び、またその企業は2015年に起こったFIFAの収賄スキャンダルに関連していることが、パナマ文書で明らかになった。
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