新型コロナウイルス危機の間、スイスの1世帯当たりの消費額は通常時より平均2000フラン(約22万円)少なかったことが、銀行大手クレディ・スイスの調査で分かった。収入も全般的に減ったが、ロックダウン(都市封鎖)による商店・飲食店の休業で消費の機会が減った。
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クレディ・スイスは11日公表した報告書で、家計の貯蓄率(収入から全ての支出を差し引いた後で貯蓄に回す割合。年金保険料などの強制貯蓄を除く)が現在22%と、コロナ危機前の約13%からほぼ倍増したと試算した。支出額の2000フラン減少に相当する。
これは、お金を使う機会が非常に限られているためだ。通常、消費の約3分の1は商品・サービスに回るが、スイスでは3月中旬からロックダウンによりスーパー・薬局・公共サービスを除くすべての店が休業していた。
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クレディ・スイスによると、休業中もオンラインショッピングは可能だったが、それでも消費の減少をカバーできなかった。小売業全体に占めるオンラインショッピングの割合は食品・非食品合わせて15%から微増にとどまった。
調査は、消費者の購買意欲が全体で危機前より約20%低いと見積もる。ロックダウンが実施された2カ月間では120億フランが「節約」された計算だ。
コロナ危機は貯蓄だけでなく収入にも影響を及ぼした。2カ月間のロックダウンに伴う収入損失は計約153億フランに上るという。操業短縮に伴う賃金減、失業、その他の労働制限等が理由として考えられる。
これらの損失の一部は、政府の緊急経済対策でカバーされる。クレディ・スイスはこの2カ月の政府による財政拠出が約116億フランになると予測している。
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収入の減少を埋めるため、120億フランの「節約」のうち貯蓄に回るのは80億フラン程度とクレディ・スイスは見積もる。ただこれがすべて貯蓄に残るわけではなく、ロックダウン解除後は55億フランが商品・サービスへの消費に回帰するとみる。
しかし正常化が長引くほど人々が慎重になり、V字回復できるかは正常化のペースと消費者の信頼感がカギになるという。
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