本番まであと1週間!プロのバレエダンサーを目指し、ローザンヌ国際バレエコンクールに挑む若者たちは、技術を磨き、心身を鍛える。どのようにして踊りの技能を高めるのだろうか。スイスから出場するダンサー2人の稽古風景を見学した。
このコンテンツが公開されたのは、
横浜市出身。1999年からスイス在住。ジュネーブの大学院で国際関係論の修士号を取得。2001年から2016年まで、国連欧州本部にある朝日新聞ジュネーブ支局で、国際機関やスイスのニュースを担当。2016年からswissinfo.chの日本語編集部編集長。
1月28日から開催される今年のバレエコンクールには、バーゼル劇場バレエ学校に通い、舞台ダンサーになるための「連邦プロ資格外部リンク」コースに在籍する日本人、梯 幹矢(かけはし みきや)さん(18)とベルギー人のルーカス・バレマンさん(18)が出場する。2人を指導する講師のフランソワ・プティ先生は、コンクールを間近に控え、「技術的には上達したが、彼らに少し足りないのは精神と踊りの豊かさ」と述べ、彼らの踊りにさらに磨きをかける。
梯さんは、お母さんが好きなバレエを5歳半で始めた。現在、バーゼルのバレエ学校で、朝8時からバレエの基礎やパ・ド・ドゥのレッスンを受け、夕方はコンテンポラリーのクラスを受講。その合間には、コンクールに向けた稽古をする。
チャイコフスキーのパ・ド・ドゥの男性バリエーションを踊るのが好きだという梯さんは、コンクールでは、「海賊」を披露する。今、練習では「基本」に戻りつつ、「踊りの表現に注意し、ケガをしないように気をつけている」と話す。振付は先生によるものだが自分なりにアレンジし、「少し重々しく踊るように意識している」と語る。
バレマンさんは7年前にバレエを始め、ドイツに留学した後、現在はバーゼルでプロ資格コースを受講する3年生。「踊るときには、他では味わえない感覚がある」「舞台に立つと、ワクワクするし幸せを感じる」とダンスの魅力を語る。一流ダンサーを目指し、身体を鍛えるために毎日練習に励み、コンクールのために冬休みも早く切り上げてトレーニングに戻ったという。
レッスンでは、片足を軸に身体を回転させるピルエットのバランスや腕の使い方を改善できるよう、何度も繰り返し練習をする。コンクールに参加することは、「とても緊張するが、(本番では)この不安をうまくコントロールする」と言い、気を引き締める。
続きを読む
おすすめの記事
ローザンヌで羽を広げるバレエダンサー
このコンテンツが公開されたのは、
10 代のバレエダンサーを取り巻く環境は、どのように変貌を遂げつつあるのだろうか?ローザンヌ国際バレエコンクールの最新情報をお届けする。
もっと読む ローザンヌで羽を広げるバレエダンサー
おすすめの記事
写真家によるローザンヌバレエの舞台裏
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでバレリーナだったフランス人写真家キャロリン・マンジョレ氏が、ローザンヌ国際バレエコンクール開催中、舞台裏の様子をカメラに収めた。
もっと読む 写真家によるローザンヌバレエの舞台裏
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール決勝 優勝は13歳でバレエを始めた ワグマンさん
このコンテンツが公開されたのは、
審査委員長のテッド・ブランドセン氏は、今回のコンクールを振り返り、「数年前まではレベルの高い男子ダンサーを見つけるのが難しかったが、今年のレベルはとても高い。また、女子も基礎がとても素晴らしい。とても衝撃的」と称賛した…
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール決勝 優勝は13歳でバレエを始めた ワグマンさん
おすすめの記事
審査員の加治屋百合子さんに聞く バレリーナへの道
このコンテンツが公開されたのは、
2000年にローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップ賞を受賞した加治屋百合子さんは現在、米・ヒューストンバレエ団でプリンシパルとして活躍する。今回、審査員として再びローザンヌの地を踏む加治屋さんに、コンクールへの思いや、若いダンサーたちへのメッセージを聞いた。
もっと読む 審査員の加治屋百合子さんに聞く バレリーナへの道
おすすめの記事
ローザンヌ・バレエ 参加者に聞くレッスン初日の印象
このコンテンツが公開されたのは、
28日からスイス西部ローザンヌのボーリュ劇場で開催されている第46回ローザンヌ国際バレエコンクールでは、ビデオによる予選審査を通過した14~18歳のダンサー74人が、5日間に渡るレッスンと審査を受けている。観客が客席から…
もっと読む ローザンヌ・バレエ 参加者に聞くレッスン初日の印象
おすすめの記事
バレエコンクールに出場する若手ダンサーへ プロからのアドバイス
このコンテンツが公開されたのは、
第46回ローザンヌ国際バレエコンクールが今日開幕した。15カ国から76人が出場し、決勝は2月3日。今回のコンクールでは14歳6カ月から参加資格があり、ますます若いダンサー同士の競争が高まる。プロを目指すダンサーはどのような心構えでコンクールと向き合うべきなのだろうか。プロにアドバイスを聞いた。
もっと読む バレエコンクールに出場する若手ダンサーへ プロからのアドバイス
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール2018 韓国最多、日本人は10人出場へ
このコンテンツが公開されたのは、
2018年の第46回ローザンヌ国際バレエコンクール(1月28日~2月4日)の事務局は2日、過去最多となる応募者380人のうち69人がビデオ審査を通過し、予備選考で合格した9人を合わせて計16カ国の78人が本選への出場を認められたと発表した。国別では、韓国が20人で最多。日本からは10人が出場する。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2018 韓国最多、日本人は10人出場へ
おすすめの記事
新ルールでさらに若いダンサー後押し
このコンテンツが公開されたのは、
来年1月28日から始まる第46回ローザンヌ国際バレエコンクールの選考ルールが変わる。
もっと読む 新ルールでさらに若いダンサー後押し
おすすめの記事
スイスのダンス国家資格 海外の若いダンサーに人気
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで2009年初めに始まった舞台ダンサーのための国家プロ資格が、海外の若い生徒たちに人気だ。ローザンヌ国際バレエコンクールのパートナー校でもあるここバーゼルのバレエ学校でも、若きダンサーが鍛錬に励む。(SRF, swissinfo.ch)
もっと読む スイスのダンス国家資格 海外の若いダンサーに人気
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。