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ローザンヌで羽を広げるバレエダンサー

プリ・ド・ローザンヌ新ディレクター就任、「ローザンヌをバレエの拠点に」

キャサリン・ブラッドニー氏
キャサリン・ブラッドニー氏 Prix de Lausanne

19日、ローザンヌ国際バレエコンクールの芸術監督兼最高経営責任者に、元ベジャール・バレエ団プリンシパルのキャサリン・ブラッドニ氏(51)が就任した。任期は無期限。スイス西部のローザンヌを拠点に世界で活躍するダンサー育成に力を注ぐ。

 今年2月、家庭の事情を理由に突如辞任した前任のシェリー・パワー氏の代理として、第46回国際バレエコンクールではすでに監督補佐を務めていたブラッドニー氏。実行委員会の承認により、正式なディレクター就任が決まった。

ローザンヌ国際バレエコンクール外部リンク

正式名称はPrix de Lausanne(プリ・ド・ローザンヌ)。スイス西部のヴォー州ローザンヌで1973年から開催されている。14歳6カ月~19歳未満の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクールの一つで、若いダンサーの登竜門とも言われる。
第47回コンクールは2019年2月3日から10日まで開催される。入賞者は、希望するバレエ学校かバレエ団で1年間研修でき、奨学金が与えられる。

  ブラッドニー氏はスイスインフォの取材に対し、「ダンスとは自分自身の身体を自覚し、健康的な規律。それだけでなく、芸術性や忍耐力も備わっていなければならない。国際バレエコンクールやベジャール・バレエ団で世界的に有名なここローザンヌを拠点に、そんなダンスを積極的に推進し、ダンサーを育成したい」と意気込みを語った。

  プリ・ド・ローザンヌ(ローザンヌ国際バレエコンクールの正式名称)は若手ダンサーの登竜門と言われ世界に名を馳せるバレエコンクールだが、近年は地元スイス人の参加者がほとんどおらず、スイス国籍ダンサーまたはスイスに3年以上在住してバレエ教育を受けたダンサーに送られる「ベストスイス賞」の受賞者がいないこともあった。

 ベジャール・バレエ団でプリンシパルとして20年活躍し、30年以上ローザンヌに在住するブラッドニー氏は、ローザンヌ市やスイスのバレエ学校と協賛してローザンヌをバレエの「都」とし、「プロダンサーを目指すスイスの若者の支援をしたい」とする。

スイスの若手ダンサーを後援

 スイスのバレエダンサーを支援するため、クラシックとコンテンポラリーのワークショップを無償で開催する予定。第1回目は7月1日にローザンヌで開催するが、今後は通年、ベルン、チューリヒ、ジュネーブなどスイスの都市各地で行う計画を立てている。スイス国籍のダンサー、または、スイスで中級・上級レベルのバレエ教育を2年以上受けているダンサー13歳から19歳を対象に1日レッスンを行う。

 また、冬に行われるコンクール開催中には、少なくとも5年間バレエのレッスンを受けたローザンヌ近郊に住む15歳から18歳のダンサーに、クラシックとコンテンポラリーのレッスンを受ける権利を与える。スタジオや舞台での雰囲気を味わうことができる。また地元ヴォー州の学生には、会場見学する機会を与え、説明会を開く。

出場者のレベル引き上げ

 ローザンヌ国際バレエコンクールに、他のコンクールから有望な「招待ダンサー」を呼び込む。世界各地で開催されるバレエコンクールから、ディレクターが2、3人の有望なダンサーを選び、ローザンヌのコンクールに招いて出場者のレベルを上げる意向。

 ブラッドニー氏は今年4月、ニューヨークで行われたユース・アメリカ・グランプリで審査を行い、3人の候補者を選んだ。3人は来年行われる第47回ローザンヌ国際バレエコンクールに参加する。また、今年10月に開催されるワガノワ国際バレエコンクールからは2人を選出する予定だ。

 来年には、韓国で行われるコンクールからダンサーを選び、才能ある若いダンサーの参加者を招き寄せることを計画している。

50周年記念プロジェクト

 2022年には、第50回ローザンヌ国際バレエコンクールが開催される。それに伴い、コンクールの会場となっているボーリュ劇場の改装工事や記念イベントのプロジェクトを立ち上げる。ボーリュ劇場は、1954年に発足したスイスで最大の劇場。舞踊文化の街づくりを推奨するローザンヌ市がプロジェクトや資金を支援する見込み。

キャサリン・ブラッドニー氏 略歴

1967年、米国ペンシルバニア州生まれ。
1986年、ベジャール・バレエ団に入団。20年間プリンシパルとして活躍。
2006年にIgokat Danse Academy外部リンクを創設し、振付やバレエ教師を務める。現在、ローザンヌに生徒約600人、スタジオ3つを備える。
2006年、映像制作会社Igokat外部リンクを創設。2006年から2013年まで、フリーランスとしてローザンヌ国際バレエコンクールのブログ動画担当。
2006-2017年 ローザンヌ国際バレエコンクールの予選審査の審査員。
2018年1月、第46回国際バレエコンクールでは監督補佐を務め、2月にパワー氏がディレクターを辞任してからは代理を務める。
2018年6月19日 ローザンヌ国際バレエコンクール芸術監督兼最高責任者に就任。

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