The Swiss voice in the world since 1935

死亡事故起こした旧軍用機Ju52 飛行免許取り消し

飛行機
商用飛行免許取り消しを受け、Ju52が再び空を飛ぶ日は当面見送りとなった Keystone

スイス東部で昨年、旧軍用機Ju52が遊覧飛行中に墜落し20人全員が死亡した事故で、スイス連邦運輸省民間航空局外部リンクは12日、運航会社JUエアー外部リンク(本社チューリヒ州デューベンドルフ)の商用飛行免許を取り消した。一部のプライベート飛行は可能という。

事故は昨年8月4日、79年前に製造されたJu52がスイス南東部グラウビュンデン州の山岳地帯に墜落、操縦士、乗務員と乗客20人全員が死亡した。連邦民間航空局は、同型のヴィンテージ飛行機運航による乗客のリスクを再調査し、商用飛行を継続することは「今日の安全基準を満たさない」と判断した。

>>「Juおばさん」と呼ばれたプロペラ機

同決定は、スイス安全調査サービス(SESE)の事故調査結果を受けたもの。欧州の他の地域でも規則が今年、厳格化される予定。

連邦運輸省民間航空局は昨年11月、JUエアーの2機のJu52について運航を一時停止すると発表。8月の事故で墜落した機体に構造的な欠陥が見つかったためとしていた。

しかし今年1月、JUエアーのクルト・ヴァルトマイヤー最高経営責任者(CEO)は独語圏の日曜紙ゾンタ―クス・ツァイトゥングのインタビューで、数カ月内に同型機の運航を再開すると発言。これに対しスイス連邦運輸省民間航空局は同記事の中で、対象となる3機すべてについて国の安全基準を満たしていることを証明できなければ停止措置は解かないと述べていた。

12日の決定を受け、Ju52が再び空を飛ぶ日は当面見送られることになった。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

大阪・関西万博

おすすめの記事

スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール

このコンテンツが公開されたのは、 日本を公式訪問中のスイスのイグナツィオ・カシス外相は22日、2025年大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーのオープニングセレモニーに出席し、結束と対話を呼びかけた。

もっと読む スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
クラウス・シュワブ氏

おすすめの記事

WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任

このコンテンツが公開されたのは、 世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者で会長のクラウス・シュワブ氏が同日付で辞任したと発表した。

もっと読む WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
コーデリア・ベール

おすすめの記事

TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出

このコンテンツが公開されたのは、 米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。

もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
卵の棚

おすすめの記事

ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス小売大手のミグロ(Migros)は14日、アッペンツェル・アウサーローデン準州ヘリザウにある1店舗を年中無休化すると発表した。

もっと読む ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
スイスのカリン・ケラー・ズッター大統領

おすすめの記事

スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、米国の追加関税について、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談した。

もっと読む スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部