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スイス住民投票で放射性廃棄物の埋蔵に再度ノー

ヴェレンベルク
ニトヴァルデン準州政府は、ヴェレンベルクが地理学的な安全性の面から放射性廃棄物の最終処分施設に適していないと主張していた Keystone

ニトヴァルデン準州で10日行われた住民投票で、放射性廃棄物を最終的に埋蔵する候補地の予備リストから、同州ヴェレンベルクを削除するよう連邦政府に求める州の提案が可決された。賛成が9520票と、反対1169票を大きく上回った(賛成率89.1%)。投票率は35.5%だった。

 州民の同意を得て、同州は連邦政府に対し、ヴェレンベルクが国内で発生する低~高レベル放射性廃棄物の最終処分場候補にはなりえないと主張していく。州政府は、地理学的な安全性の面からヴェレンベルクは地下埋蔵に適していないと説明する。

 2017年11月、連邦政府はジュラ州、チューリヒ州、アールガウ州の国内3カ所を、放射性廃棄物を埋蔵する候補地として調査すると発表。現在ヴェレンベルクは正式な候補地ではないが、その予備リストに名が挙がっている。

 処分場が確定するまで、連邦政府はあらゆる選択肢を残しておきたいとして、ヴェレンベルクを予備リストに挙げていた。

30年越しの反対

 予備リストからの除名によって、ニトヴァルデン準州の住民は30年越しの闘争に幕を下ろそうとしている。連邦政府がウェレンベルクをスイスの原子力発電所で発生する放射性廃棄物の埋蔵地の候補に挙げたのは1987年のことだった。

 同地域の住民は無理な要求に反発し、95年と02年の2回、州レベルの住民投票で政府の計画を否決。だが05年2月に発効した改正原子力法で、連邦政府は州の同意を得ずに処分場の選定できるようになり、住民投票の結果には法的な拘束力がなかった。

 一方、政府への圧力にはなり、連邦政府は15年、ヴェレンベルクを正式な候補地リストからは削除。ただし予備リストに温存した。

(独語からの翻訳&編集・ムートゥ朋子)

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