チューリヒ大学(UZH)が今年、母乳育児が社会経済に与える長期的効果に焦点を置いた専門の研究部門を設立する。専門の教授職を置き、医学、経済学の両面から母乳育児の効果を調べる。同大学によると世界でも珍しい試み。
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立ち上げに際し、母乳育児を推進するラーソン・ローゼンクイスト財団(本部・ツーク州)が1000万フラン(11億5千万円)を同大に寄付した。同大はこの資金を元に、経済学部に専門の教授を配置し、母親がどのような要因から母乳育児をするか否かを決めるのか、母乳育児は社会経済にどのような効果をもたらすのかなどについて調べる。米英や豪州とも協力して調査に当たる。
財団は2015年、医学的な観点から母乳育児の長期的効果を調べるため、医学部に同様の教授職を新設する資金として2000万フランを寄付している。
経済学部に新設される教授職の人選はすでに始まっており、今年夏には決まる見通し。チューリヒ大のミヒャエル・ヘンガルトナー学長は2月に行われた記者会見で「この分野を医学、経済学の両面から研究する部門は世界でも珍しく、意義深い考察がここから生まれるだろう」と述べた。
チューリヒ大は、教授の人選、研究項目の選定に関して財団は関与しないとしている。
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