スイス国立銀行(中央銀行)が26日発表した2018年1~3月期の決算は、68億フラン(約7500億円)の赤字となった。ドル安などが進み、外貨建て資産が70億フラン目減りしたことが主な要因だ。
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利息が24億フラン、配当金が6億フランの利益を生んだ。一方で利付き商品が39億フランの損失をもたらし、差し引き赤字となった。
株式市場が軟調だったため、証券は33億フランの損失となった。為替差損は総額28億フランとなった。
金の保有量は変わらなかったが、価格の下落で2億フランの評価損をもたらした。
スイス中銀は通例のように、「収益は金、外国為替および資本市場の発展に大きく依存している」と強調した。
予想の範囲内
1~3月期は金利の上昇(債券価格の下落)やドル安、軟調な株式市場が続いた。スイス中銀の赤字規模は予想の範囲内とみなされている。
2017年は下半期のフラン安・外貨高と好調な株式市場により、通年で544億フランと巨額の利益があった。連邦と州は中銀から20億フランの分配金を受け、うち3分の1は連邦政府に、残りは州に納められた。
国立銀行法の改正案
17年の中銀株の配当金は、法定の最大金額に相当する1株当たり15フランとなった。である。27日にベルンで開催される年次総会に向け、株主は、配当の計算方法に関する国立銀行法の改正手続きを始めるよう申請した。
だが中銀の評議会は、総会に申請を却下するよう求めている。スイス中銀の株式の過半数を公共部門が保有しているためだ。だが市場では配当金の上昇に期待が先行し、中銀株価は4月初めに一時9千フランを超えた。
SDA-ATS
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