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公式統計とフェイクニュースの闘い 連邦統計局がPRに力

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スマートフォンやソーシャルメディアの普及により、フェイクニュースが流布する速度に拍車がかかっている Keystone

虚偽の情報が意義のある政治的議論を脅かす風潮の中、「信用できる公式の情報源」としてPRに力を入れている機関がある。スイス連邦統計局だ。

 スイスに関するさまざまな公式統計を扱う連邦統計局外部リンクは設立150年の歴史上、かつてない試練に直面している。それは、非公式で時に疑わしい情報源からもたらされるデータが増え続けていること。デジタル時代において、このような不確かな情報は瞬時に出回り、時に事実を捻じ曲げてしまうことがあるためだ。

 連邦統計局のゲオルグ・シモン・ウルリッヒ局長は4月、ベルンで共催したデータとフェイクニュースに関する会議の記者会見で「国民にとって、公式な統計とそれ以外の情報の区分けが常にはっきりしているわけではない」と指摘。健全な政策決定や政治的議論は信用できる証拠いかんにかかっており、統計が虚偽であるか、芳しくない手法で作り出された場合は民主主義の仕組みを脅かすと警告した。

 この脅威に立ち向かうためには、連邦統計局が信頼に足る公式の情報源という存在意義を明確にし、国民に広くアピールしていくことが重要だとした。

 一方で「連邦統計局はこれまで統計手法を明らかにせず、ただデータを提示してきただけだった」として、改善の余地はあると述べた。

 現在、連邦統計局は統計手法を明らかにし、利用者からの質問や批判を歓迎する体制作りを進めている。また、公表された情報の読み解き方を利用者にもっと知って欲しいという。

 ジャーナリストたちにデータを正確に報じてもらうことも、重要な政策の一つだという。4月の連邦統計局・各関係機関共催の「Truth in Numbers(数字の真実)」会議外部リンクで、連邦統計局はメディアや他の関係者に公式統計のクオリティーの高さや信頼性を強くアピールした。また情報を正しく読み解くデータ・リテラシーは、スイスだけでなく世界中でこれまで以上に求められていると強調した。

 ウルリッヒ氏はスイスインフォに「フェイクニュースといかに対峙するか。それは全ての人に関わる問題だ」と説く。「もっと客観的に物事を捉えようとする力を人々に身につけてもらわなければならない。それには学校だけでなく、連邦統計局、政治家も関わって行く必要がある」

(英語からの翻訳・宇田薫)

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