スイス連邦政府は10日、エビやカニなどの甲殻類を生きたままゆでてはならないとする規定を新たに設けたと発表した。同規定を盛り込んだ新しい法律が今年3月に施行される。
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政府の動物保護政策の見直しの一環。内閣は同日、エビやロブスターなどの甲殻類には感情があり、不必要に苦しませることがあってはならないと発表。国内の外食産業からは批判が上がっているが、内閣は方針を変更しないという。
新しい法律では「ロブスターを含む生きた甲殻類は今後、冷凍、または冷水につけた状態で輸送してはならない。甲殻類は必ず気絶させてから殺す」と規定している。
欧州では今年始め、イタリアが同様の法律を施行している。
動物保護を強化
動物保護政策の見直しではこのほか、子犬の違法繁殖に対する取締りの強化や、ほえる犬を罰する装置の禁止が盛り込まれた。
新しい法律では小型動物についても言及。動物を収容するケージの大きさを明記したほか、公共のイベントなどで登場する移動動物園は、強い逃走本能を持つモルモットなどの動物をおびえさせるとして禁止する。
さらに動物実験への規制も強化。今後、動物実験を行う全ての研究室に特別な教育を受けた動物保護士を置くとしている。
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スイスには、いわゆる「国民食」というものがない。地方それぞれに伝統の味があり、それはこの小国の社会の歩みや政治のあり方を反映しているようだ。
「食というテーマが面白いのは、それが栄養をとるという原始的欲求で終わらないからだ」。そう説明するのは、シュヴィーツ市にあるスイス国立博物館スイス史フォーラムで開催中の展覧会、「Was isst die Schweiz?(スイス人は何を食べているか?)」のガイド役を務める学芸員のピア・シュビガーさん。2室に分かれた会場には、さまざまにコーディネートされたテーブルが随所に置かれ、展覧会の主役となっている。シュビガーさんは、「テーブルは人々が集い食事をとりながら社会生活を営む場所」と言い、これをコンセプトの要(かなめ)と考えている。
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「スイスの生物多様性に関する取り組みは著しく遅れている」。ベルン大学保全生物学研究室主任のアルレッタ教授はそう言い切る。政治家や教育関係者、そして一般市民がもっと自然に親しむ努力をすることこそ活動活発化の決め手だと言う。
取材当日に現れたラファエル・アルレッタ教授の服装は、グリーン系アースカラー2色でコーディネートされていた。教授室の書棚はすっきりと整頓され、鳥の切り抜きがあちこちに貼られている。彼が17歳の時に研究を始めたヤツガシラもその一つだ。教授が1990年代に始めた個体数回復プロジェクトにより、スイスにおけるヤツガシラの生息数は飛躍的に増加した。生物多様性保全活動の大きな成功例だ。
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夏の間、牛を預かるアルプスの「助産師」
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妊娠中や授乳中の牛たち数十頭の世話をする「アルプスの助産師」。具体的にはどんな仕事をするのだろう?
受話器の向こうからはカウベルの音が聞こえる。その電話の相手はクリスチャン・ヘンニーさん。引退した農夫で、夏の間、東部グラウビュンデン州のアルプスの牧草地で牛たちの世話をしている。
取材の問い合わせに対して、「来てもらってかまわないよ。ただし出産で忙しくなければね」とヘンニーさんは答える。牛の出産の手助けは、彼にとって重要な仕事の一つだ。今年は75頭の面倒を見ている。6月半ばにヘンニーさんの元へ牛たちがやってきたときは、その約半数が妊娠していたという。夏の間、高山牧草地で牛の世話をするヘンニーさんには、給料が支払われるほか、宿泊場所も提供される。スイスでは毎年夏になると、動物の世話から土地の手入れ、乳製品づくりを始めとする山の仕事で何千もの雇用が生み出される。その数はグラウビュンデン州だけでも1500だ。
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犬のトレーニングコース参加義務を廃止
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スイスの連邦議会は19日、犬とその飼い主のトレーニングコースへの参加義務を廃止すると決定した。
犬とその飼い主に、トレーニングコースへの参加が義務付けられたのは2008年。初めて犬を飼う飼い主は、4時間にわたる実技クラスへの参加と、1時間の講習会への出席が義務付けられていた。
連邦政府は2016年3月、50万匹以上の犬を飼っている(スイスのような)国では犬のトレーニングコースはそれほどインパクトを持たないとの報告書を発表。コースの義務化後も犬が噛み付くなどの事件発生数は減少しなかったこと、トレーニングコースに参加した飼い主と、しなかった飼い主の行動にさほど違いが無かったこと、さらに飼い主のおよそ20%は、トレーニングコースに全く参加していなかったことなどが明らかになった。
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スイスの神戸牛?「カビーア」とは
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スイス東部アッペンツェル・アウサーローデン準州の農家では、ビールの製造工程で出る副産物を餌にし、1日2回の「ビールマッサージ」を受ける「カビーア」が飼育されている。徹底した経営理念から、生産数は限られ、商品が届くまでの待ち期間は約1年。部分買いは出来ないという。また、飼育方法の一部は日本の神戸牛からインスピレーションを受けているが、その目的は決して高級肉を生産することではない。
東スイスの中心都市の一つに数えられるザンクト・ガレンから車で20分。人口1400人ほどの小さなシュタイン村の外れにデーラー農場はある。丘と丘の間に広がる約12ヘクタールの敷地では、それぞれ25~30頭の肉牛、羊、豚、そして数頭のヤギがゆったりとした雰囲気の中で飼育され、ニワトリと猫たちが気ままに農場を歩き回っている。
「他と比べると小さな農場だ」と経営者のゼップ・デーラーさん(45)は言うが、その規模とは裏腹に、大きな理念を掲げて農業を営んでいる。その理念が最も反映されているのが、肉牛の「カビーア(Kabier)」だ。デーラー農場の一番の売りでもある。
カビーアはドイツ語で子牛を意味する「カルプ(Kalb)」と、ビールを意味する「ビーア(Bier)」を掛け合わせたブランド名だ。デーラーさんとロッハー・ビール醸造所のオーナー、カール・ロッハーさんで考案した。
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大砲で殺され、食べられたゾウ スイスであった本当の話
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狂暴化したゾウを大砲で撃ち殺し、切り分けた肉を地元住人で食べた。これは作り話ではない。今から150年前にフリブール州ムルテンで起こった本当の話だ。この驚きのエピソードはスイス全土で話題となり、やがて町の歴史的文化財となった。
1866年6月27日のこと。フリブール州ムルテンでは珍しいアジアゾウ2頭の到着の様子を見ようと、人だかりができていた。ムルテンは、フリブール州の田舎にある人口2300人の小さな中世の街だ。
到着するゾウはオスとメスそれぞれ1頭ずつで、巡業サーカス団「ベル&マイヤーズ」が所有していた。夜に予定されていたサーカスの公演チケットはもちろん完売。その夜、人々を大いに魅了したエキゾチックな動物が一転、恐怖の存在になるとは、観客の誰一人として思っていなかった。
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