外国に移住する際、悩みの種になるのが、それまでの国で取得した職業資格を新しい国で承認してもらうこと。スイスの職業の多くは公的機関などが定める資格が必要で、そのような場合、働き始める前に手続きが必要となる。
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欧州連合(EU)との間の人の自由な移動を認める協定により、スイスはEUの職業資格相互承認制度を導入。しかしそれでも一定の手続きが必要だ。EU圏外の出身者も、母国で取得した資格をスイスで承認してもらえるよう申請できる。
まずは、自分の仕事がスイスで規制の対象に入っているかを確かめなければならない。そうでなければ外国の資格だけで十分労働市場に参入できる。
担当機関は州または連邦政府で、職業によって異なる。詳細は連邦政府のサイトの職業別のPDFリスト外部リンク(英語)へ。
スイスに90日を超えて滞在し、対象の職業に従事する場合は、関係機関の資格承認証明書(資格の等価性)が必要。スイス連邦教育研究革新庁(SERI)が担当機関のリストを提供している。詳しくはこちら外部リンク(英語)へ。
現在、EUからの移民労働者の人数は制限されていないが、スイスの雇用者は新規雇用の際にスイスの居住者を優先する義務を負う。EU出身のスイス在住者に関する情報はこちら外部リンクへ。
スイスはまたEU圏外の国の出身者、いわゆる第三国の国籍保持者に対し、約8500件の滞在許可証(BおよびL)を発行している。州が発行し、申請には入国前に雇用者から就労ビザと労働契約の確約を受けていることが条件となる(スイス人と結婚しているなどの場合はこの限りではない)。詳細はこちら外部リンク(英語)へ。
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日曜紙ゾンタークス・ツァイトゥングが伝えたところによれば、同報告書は「今日、社会福祉分野で人材の需要が高まっており、これまで以上に雇用を生み出している」と指摘。また「同分野における雇用は今後15年以上に渡り、成長し続けるだろう」としている。
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