スイス連邦競争委員会は6日、外国為替取引をめぐるカルテルに加わったとして、三菱UFJ銀行を含む5行に総額9千万フラン(約99億円)の制裁金を科したと発表した。
このコンテンツが公開されたのは、
罰金を科されたのは三菱UFJのほか英バークレイズ、米シティグループ、米JPモルガン、英ロイヤルバンクオブスコットランド(RBS)。「外国為替のスポット取引(直物取引)における銀行間の競争を共謀して妨害した」とされる。
競争委は、罰金は「友好的な解決策」だとコメント。2013年から調査が行われていた。
競争委は「G10通貨(米ドル、ユーロ、ポンド、円、豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドル、スイスフラン、ノルウェークローネ、スウェーデンクローナ)に関する外国為替スポット取引において、複数の国際銀行のトレーダーが2つのカルテルに加わった」とした。
「3方向のバナナスプリット」と呼ばれるカルテルには、バークレイズ、UBS、シティグループ、JPモルガン、RBSのトレーダーが関わっていた。バークレイズ、三菱UFJ、RBS、UBSのトレーダーは「エセックスエクスプレス」カルテルに参加した。各行のトレーダーが取引価格などの情報を交換していたという。
UBSは2件のカルテルを欧州委員会に通報したため、罰金の対象にはならなかった。他の複数の銀行も事実を認めて減額された。バークレイズは2700万フラン、シティグループは2850万フラン、JPモルガンは950万スイスフラン、三菱UFJは150万フラン、RBS は2250万フランだった。
競争委によると、クレディ・スイスの調査は現在も行われている。ジュリアス・ベア、チューリヒ州立銀行の調査は終了した。今回の罰金処分は最終決定ではなく、不服があれば連邦行政裁判所へ申し立てができる。
バークレイズ、シティグループ、JPモルガン、三菱UFJ、RBSはこの問題で先月、欧州連合(EU)から総額10億7千万ユーロ(約1300億円)の制裁金処分を受けた。
おすすめの記事
スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ州の放射性廃棄物処分場建設計画が、正式な認可が下りる前から反対運動に直面している。
もっと読む スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
おすすめの記事
ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
このコンテンツが公開されたのは、
ビートルズのジョン・レノンさんが殺害される2カ月前にオノ・ヨーコさんから贈られ、その後盗まれた腕時計について、スイスの連邦最高裁判所はオノさんに時計の完全な所有権があるとの判決を出した。
もっと読む ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
おすすめの記事
スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス証券取引所を運営するSIXグループは11日、英国の証券取引サービスプロバイダー、アクイス・エクスチェンジを買収すると発表した。今後、多角的取引システム(MTF)に参入する方針だ。
もっと読む スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
おすすめの記事
2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は12日、2022年の1世帯平均の可処分所得はひと月6902フラン(当時レートで約95万円)だったと発表した。前年からほぼ横ばいだった。
もっと読む 2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
おすすめの記事
CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
このコンテンツが公開されたのは、
今月30日、ロシアの研究機関とジュネーブに拠点を置く欧州原子核研究機構(CERN)との協力協定が終了する。研究者はCERNのプロジェクトに影響を及ぼすと警告している。
もっと読む CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
おすすめの記事
女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・バーゼル大と英ダラム大が1989年から2002年の間にスウェーデンで初等教育を修了した75万人以上の生徒のデータを用いて行った調査で、女子生徒の方が多いクラスを出た女性はより多くの収入を得る傾向があることが分かった。
もっと読む 女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
おすすめの記事
11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアルプスで、季節外れの暖かさが続いている。スイスで最も標高の高い地点にあるユングフラウヨッホでは観測史上最高を記録した。
もっと読む 11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
おすすめの記事
スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで肉食をやめる人が増えている。植物性食品を推進するスイスベジ協会(Swissveg)は30日、スイスのベジタリアンやビーガンの数は過去5年間で約40%増加したと発表した。
もっと読む スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
おすすめの記事
スイスを縦断するツルが過去最多
このコンテンツが公開されたのは、
スイス鳥類研究所によると、スイスでは今季、はやくも過去最多のツルが観察されている。なかには約800羽の大規模な群れもみられた。
もっと読む スイスを縦断するツルが過去最多
おすすめの記事
「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州ルガーノの州刑事裁判所は23日、利己的な動機で他人の自殺を手助けしたとして、自殺教唆・ほう助の罪に問われた同州の元看護師の女(67)に条件付き罰金刑を言い渡した。
もっと読む 「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
続きを読む
おすすめの記事
銀行の信頼回復は道半ば
このコンテンツが公開されたのは、
金融危機から10年。スイスの銀行はようやく国民からの信頼を取り戻した。だがスイス国民の3分の2以上は、銀行が依然として不正やマネーロンダリングの温床になっているとみている。
もっと読む 銀行の信頼回復は道半ば
おすすめの記事
スイス証券取引所が暗号資産時代に焦点を合わせるわけ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス証券取引所が仮想通貨など暗号資産取引へのシフトアップを図っている。時代を先取るこの波に乗ろうとしている取引プラットフォームは数多い。その背景を探ってみた。
もっと読む スイス証券取引所が暗号資産時代に焦点を合わせるわけ
おすすめの記事
ブロックチェーンが変えるスイスのビジネス
このコンテンツが公開されたのは、
ブロックチェーン技術が初めて登場した2008年、データの管理ややり取りに革命が起きると期待された。技術のビジネス化に10年の時を要したが、ようやく活用事例が現れ始めた。その舞台はスイスだ。
もっと読む ブロックチェーンが変えるスイスのビジネス
おすすめの記事
UBS、普通預金口座の利子をゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの銀行最大手UBSは6月1日から、成人の普通預金口座に付く利子を0.01%からゼロに引き下げる。
もっと読む UBS、普通預金口座の利子をゼロに引き下げ
おすすめの記事
越境労働者、給料の為替リスクは誰が負う?
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦裁判所は、従業員にユーロで給料を支払う企業は、為替変動でフランでの支払額より目減りしてしまった場合でも、差額を穴埋めする必要はないとの判決を下した。
もっと読む 越境労働者、給料の為替リスクは誰が負う?
おすすめの記事
スイスで借金地獄から抜け出す手段は
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは欧州では珍しく、過大債務者の債務を帳消しにする法制度がない。連邦議会はこの状況を変えようと法改正に動き出した。
もっと読む スイスで借金地獄から抜け出す手段は
おすすめの記事
スイス証券取引所、デジタル資産の取引所を新設へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス証券取引所を運営するSIXグループは2019年、仮想資産を取引する「SIXデジタル取引所」を開設する。新しい取引所で何ができるようになるのか、スイスの仮想通貨業界への影響は?ポイントをまとめた。
もっと読む スイス証券取引所、デジタル資産の取引所を新設へ
おすすめの記事
「スイス中銀は環境に優しい投資を」 環境団体が提言
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中央銀行)はスイスの金融市場に気候変動のストレステストを受けさせるべきである。スイス気候連盟はこう指摘する。頻発する天災による被害は、金融システムを危機に至らせる可能性があるためだ。
もっと読む 「スイス中銀は環境に優しい投資を」 環境団体が提言
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。