スイス・欧州連合(EU)関係は近年、移民や法人税議論を巡りこじれがちだ
Keystone
スイスの欧州連合(EU)株式市場への参加権に1年の期限を設ける案に対し、EU加盟11カ国が反対の意を示す書簡に署名していた。スイス公共放送(SRF)が30日報じた外部リンク。
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書簡は欧州委員会に宛てたもの。署名したのはスイスと国境を接するドイツやオーストリアのほか、英国など11カ国。SRFはこれらの国からのスイス支持は「予想外だった」と評した。
EU加盟国は昨年11月、スイス証券市場に引き続き「対等な」取引を認め、無期限でEU株式市場に参加することを承認した。だが翌12月、ユンケル委員長率いる欧州委員会は方針転換し、1年後の2018年末を持って自由取引を終えることを決めた。
書簡ではこうした委員会の方針転換は極めて特殊な事情に限り許されるもので、スイスの場合には当てはまらないと記した。署名した11カ国は無期限でスイス証券市場に引き続き対等な取引を認めるとした。
SRFは、株式市場のアクセス権に期限を設けるという同委員会の決定は、スイスとの二国間協定交渉においてスイスに圧力をかける目的があると解説した。同交渉では、移民や法人税などを巡る両者の溝が埋まらず暗礁に乗り上げている。EUの規制改革後、スイスにEU市場のアクセス権、あるいは証券取引の対等性を認めるかどうかも議論の対象に挙がっている。
SRF/ln
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