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連邦議会、スイス国際航空の救済策を可決

がらんどうの空港に待機中の航空機――航空業は新型コロナウイルス危機で最も大きな被害を受けた業界の一つだ Keystone / Salvatore Di Nolfi

スイス連邦議会は新型コロナウイルス危機で経営難に陥っているスイスインターナショナル・エアラインズ(SWISS)を救済するため、18億7500万フラン(約2040億円)を投じる案を承認した。

2001年に国営のスイス航空(現SWISS)が経営破綻して以来、スイスの民間航空は外資企業が牛耳っている。航空旅客輸送は主に、02年に再建され05年に独ルフトハンザの傘下に入ったSWISSと、英格安航空会社イージージェットのスイス支社が担っている。空港や技術サービスは中国のHNAグループ傘下のスイスポートやSRテクニクスが運営。ケータリング事業のゲートグループホールディングスもRRJキャピタルに買収された。

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いずれも新型コロナウイルス危機に伴う運休・大幅減便の影響で経営が厳しくなっている。スイス経済を支える航空業の救済は不可欠だが、これら外資企業にスイス政府が出資すべきかどうかは議論が分かれていた。

スイス連邦議会の結論は「救済すべき」だった。他に選択肢はないと判断した議員が過半数にのぼった。連邦議会は先月29日、総額18億7500万フランの政府の救済案を承認。国内の航空会社への融資保証に12億7500万フラン、国内空港の関連企業に6億フランを支援する内容だ。

システム上重要

「航空部門はスイスにとってシステム上重要だ。国内総生産(GDP)の約5%を占め、銀行部門の生産高に匹敵する」。審議に当たり、ウエリ・マウラー財務相はこう訴えた。

スイスの輸出の約4割、輸入の約2割は空輸だ。外国人観光客の半数以上が空路を使う。

スイスのように多様性に富む経済は国際・大陸間接続は極めて重要だが、SWISSが提供することではなく、接続されていることが重要なのだとマウラー氏は強調した。

スイスは20~30本の大陸間接続があるが、SWISSやルフトハンザの輸送網がなければ、4~5本に減ると指摘した。

スイス航空の破綻後、スイスの旅客輸送は大幅に減った。だがルフトハンザに買収された後の15年間でほぼ2倍に増えた。SWISSが19年に輸送した旅客は1900万人、輸送先は45カ国にのぼる。SWISSの貨物輸送部門ワールド・カーゴは80カ国130カ所に輸送した。

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(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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